こんにちは、平島です。
腸内環境を整える事に興味を持ってくれる患者さんが増えてきたと実感します。
腸内フローラ検査やオーソモレキュラー検査
で腸内の状況や栄養状態を把握しようと考えてくれる人が増えていると思います。
よく、診療で
「16時間断食の本が話題になっていますが、どうですか?」
と聞かれることがありますが、
16時間断食は腸内環境にとってはあまりお勧めできるものではありません。

「16時間断食」
は大きな注目を集めていますが、本当にその方法は万人に効果的で、最適な選択なのでしょうか?
医師の視点から、私自身の経験や、最新の科学的知見、そして専門家の見解を踏まえ
「16時間断食」
は必ずしも必要なく
むしろ
「12時間断食」
こそが健康的で持続可能なダイエット法であることを解説します。
16時間断食に潜む意外な落とし穴
私はかつて体重72kgの肥満に悩んでいました。
その頃の食生活は、皮肉にも流行りの16時間断食に近い
「1日1食、夜中に飲食し日中は食べない」
というものでした。
若い頃で基礎代謝が高かったにもかかわらず太っていたのは、
体内時計のリズムを無視していたから
だと、時間栄養学に関する研究で指摘されています。
体が脂肪を溜め込む時に食べると太りやすい
とされます。
また、
長時間の絶食は、食後の血糖値が急激に跳ね上がる
「血糖スパイク」
のリスクを高めます。
特に
朝食を抜いて昼食を最初の食事にする
と、血糖値の上がり方が非常に大きくなり、
これは脂肪蓄積や血管障害にも繋がるとされます。
さらに、
16時間断食は社会生活の中で継続が非常に困難
で、
挫折する人が多いことも問題です。
午前中に空腹を感じ、力が入らないという声もよく聞かれます。
私が驚いたのは、ファスティング実践者の腸内環境データです。
ある患者さんの1ヶ月のファスティング後の検査では、
なんと
善玉菌が激減し、悪玉菌が大幅に増え、腸内環境がめちゃくちゃ悪化していたのです。
世間で売られている
「ファスティング酵素」のほとんどが99%砂糖水
であり、
これを飲むと血糖値が急上昇し、脱水状態になるリスクもあります。
タンパク質不足による筋肉量の減少は、基礎代謝を落とし、長期的に見れば太りやすい体質を招く
という本末転倒な結果になりかねません。
なぜ12時間断食が健康とダイエットの最適解なのか
では、なぜ12時間断食がこれほど推奨されるのでしょうか?
★体内時計との完璧な調和
人間の体内時計は、主に光と朝食によってリセットされます。
研究によると、
「絶食→朝食の流れが、体内時計のリセット効果を最大限に高める」
と強調されています。
朝8時に朝食を摂り、
夜20時までに夕食を終える
「12時間断食」
は、この体内時計のリズムに合い、継続しやすいのが最大のメリットです。
★最適なオートファジー活性化:
細胞のデトックス・リサイクルシステムであるオートファジーは絶食で活性化しますが、
長時間の絶食は、
特に
高齢者で筋肉減少(サルコペニア)など健康を害するリスクがあること
が分かっています。
研究によると、
「最適な絶食時間は12時間」
と説明されており、
健康リスクなくオートファジーを適切に活性化できると考えられます。
★「3食しっかり食べる」ことの重要性
研究によると「12時間断食がベスト」とされ、その中で
「3食食べる」
ことが強く推奨されています。
12時間の摂食時間内に3食摂ることで、必要な栄養素を確保し、筋肉量を維持しやすくなります。
規則正しい食事は、体が効率的にエネルギーを使い、血糖値も安定させます。
特に
朝食をしっかり、夜を軽めにする意識
が大切です。
★継続のしやすさ
12時間断食は、日常生活に無理なく組み込めるシンプルさが魅力です。
空腹を感じにくいため、ストレスなく長期的に継続できます。
今日から始める「12時間断食」で健康的な体を手に入れよう
痩せたい人も、健康を維持したい人も、まず今日からできることはシンプルです。
朝食をしっかり食べ、そして夕食を12時間以内に食べ終えること
です。
例えば、
朝8時に朝食を摂ったら、夜20時までに夕食を済ませましょう。
「朝は食欲がない」
という方もいるかもしれませんが、
研究によると
「朝に少しでも口に入れること」
が勧められています。
1週間も続ければ体内時計が整い、自然と食欲が湧いてくるはずです。
夕食はできるだけ早く、軽めに済ませ、就寝までに3時間程度空けることができれば、睡眠の質も向上し、夜間の食欲も低下するとされます。
このシンプルで理にかなった
「12時間断食」
は、腸内環境を整え、細胞を常にリペアし、代謝の良い、太りにくい体質へと導いてくれるでしょう。
ぜひ今日から実践し、あなたの健康と美しさをサポートしてください。
では、今週も頑張っていきましょう!