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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年07月28日
こんにちは、平島です。
暑い日が続いていますが、
私はホノルルトライアスロンの暑さ対策の意味を込めて
朝早い時間に走る
ことは継続しています!
スイムも地道に練習していこうと思います。
老化と腸内環境・腸漏れの関係
についてや老化を予防する食材について解説していこうと思います。
加齢により、腸内環境は徐々に変化し、善玉菌(ビフィズス菌など)が減少し、悪玉菌が増えやすくなります。
それに伴い、
短鎖脂肪酸(SCFA)の産生量が低下し、腸管のバリア機能が弱まります。
このため、
「腸漏れ(リーキーガット症候群)」
という状態が起きやすくなります。
リーキーガットとは、
腸の上皮細胞の隙間(タイトジャンクション)が開いてしまい、未消化物や菌、炎症性物質が血流に漏れる現象です。
これによって
慢性的な疲労感・肌荒れ・便秘や下痢・アレルギー・老化促進など様々な不調
が引き起こされるとされています。
さらに、
腸漏れが進行すると、タンパク質やミネラルの吸収不良となり、
筋肉量低下や栄養不均衡も伴い、体の修復能力が落ちる悪循環に陥りやすくなります。
老化と腸漏れは、
「腸内環境の悪化」「腸粘膜バリアの破綻」「栄養吸収不良」「慢性的炎症」
の連鎖で進む傾向があります。
これらを防ぐには、腸を健康に保つ習慣が不可欠なのです。
麹菌を用いた発酵食品には、腸内の善玉菌と協力して
短鎖脂肪酸
を産生し、腸管バリアを強くする力があります。
特に
味噌は、
抗酸化作用・抗炎症作用も強く、老化予防や血糖コントロール
にも寄与します。
食物繊維やオリゴ糖は、腸内善玉菌(ビフィズス菌など)のエサとなり、短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸など)の産生を促します。
特に
冷やご飯に含まれる
レジスタントスターチ
は短鎖脂肪酸生成を強化し、腸漏れ防止に有効です
③ 抗炎症・抗酸化スパイス類(生姜・ターメリックなど)
生姜やターメリック(ウコン)は、炎症を抑え、腸粘膜細胞のダメージを軽減する効果があり、老化防止にも貢献します。
特に
生姜は12の老化マーカーに対しポジティブな影響が報告されている抗酸化食材です。
目的 | 実践方法 |
---|---|
腸漏れの抑制 | 小麦グルテン、乳製品(カゼイン)、加工食品、アルコールを控える |
腸内善玉菌の強化 | 発酵食品・多様な食物繊維・オリゴ糖中心の食事を習慣化 |
腸粘膜修復促進 | 良質なたんぱく質(魚・豆類)を適量摂取し続ける |
抗炎症・抗酸化対策 | 生姜料理やターメリックミルクなど抗炎症スパイスの活用を推奨 |
加齢によって腸内環境は変化しやすく、腸漏れが老化や不調の根源となることがあります。
腸を守る鍵は、
「腸内環境の改善」「腸粘膜バリアの強化」「炎症の抑制」
にあります。
特におすすめしたいのは、
発酵食品(味噌・納豆)
食物繊維・オリゴ糖豊富な食材(冷ご飯、海藻、納豆など)
抗炎症・抗酸化スパイス(生姜、ターメリックなど)
これらを日常に取り入れることで、腸内で短鎖脂肪酸がしっかり産生され、粘膜バリアが守られ、老化を遅らせる土台が築かれます。
まずは体調改善や疲労感の改善を実感できる範囲から、腸を意識した食習慣を始められると良いでしょう。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。