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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年08月04日
こんにちは、平島です。
暑い日が続いていますが、もうすぐお盆休みになりますので、もう一息頑張りたいところですね。
横浜院は
8月11日月曜日〜17日日曜日までが夏季休暇
福岡院は
8月10日日曜日〜16日土曜日までが夏季休暇
となります。
私は、今年の夏季休暇を利用して高校の後輩の美容クリニック(福岡)で
目のクマ取り
を予定しています。
YouTubeの内視鏡チャンネルで撮影予定ですので、9月以降ぐらいに公開できればと思います!
大腸がんが増加しており、
罹りやすいがんの男女とも第1位
死因の原因で女性で第1位、男性で第2位
となっております。
大腸がんが増えている現状と原因などについて解説していきたいと思います。
2021年に大腸がんと診断された件数は154,585件(男性86,271/女性68,314)で、全がんの中で最多となりました 。
死亡数は2023年で53,131人(男性27,936/女性25,195)にのぼり、がん死亡の第2位です。
年齢調整罹患率は、全体で123.2例/10万(男性141.4/女性105.9)と、依然として高水準です。
肉類・乳製品など動物性脂肪の過剰摂取と野菜・果物の不足が、腸内で発がん物質を生成する長期曝露につながります
JPHC研究などから、欧米型の食事パターンほど大腸がんのリスクが高くなる傾向があります
BMIが1増えるごとに、大腸がんリスクは男性で1.03倍、女性で1.02倍に上昇するという報告があります
BMI30以上では、男性で約1.5倍、女性で約1.2倍の発症リスクが示されており、特に内臓脂肪型肥満が要注意です
定期的な運動不足は腸の蠕動運動低下につながり、肥満・血糖コントロール異常を介してがんリスクを高めます
喫煙・飲酒(特に毎日1合以上)は、発がんリスクを有意に上昇させる生活習慣因子です
高齢化に伴い、全体の罹患数は上昇傾向にありますが、年齢調整死亡率は近年やや横ばいまたは減少傾向にあるという分析も見られます
特に女性においては罹患率が増加傾向にあり、2003年以降は大腸がんが女性のがん死亡原因の第1位となっています(14,428人/年)
家族性大腸腺腫症やリンチ症候群など遺伝性疾患の場合、若年でも高い発症リスクがあり、定期的な内視鏡検査が推奨されます
また潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患を長年患っている患者にもリスクが高まります
野菜・果物・海藻など食物繊維の豊富な食品を毎食意識的に摂取し、脂質の摂取は抑え目に。植物性たんぱく質や発酵食品も併用をお勧めします。
週150分以上の有酸素運動(ウォーキング/ジョギング/サイクリングなど)を継続し、BMI25未満を維持する習慣づけが重要です。
特に禁煙は非喫煙者より66%ほどリスクを減らすことが知られており、飲酒は1日1合以下に抑えることが望まれます。
40歳以上では定期的に大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。
大腸がんは生活習慣=食事・肥満・運動・喫煙・飲酒の改善である程度予防が可能な疾患です。
統計上、日本では年間15万人が罹患し、5万人超が死亡という深刻な現状ですが、早期発見・生活改善で十分対応可能です。
患者さんには「生活習慣改善+大腸内視鏡検査継続」のセットが最も効果的と指導しています。
正しい知識と日々の行動選択で、大腸がんを「防げるがん」として捉えていきましょう。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。