こんにちは、平島です。
クリニックの夏季休暇も終わり、
来年のホノルルトライアスロン2026
に向けていよいよ本格的にトレーニングを再開していこうと決意しています。
クリニックでは主に
胃カメラ・大腸カメラを行っていますが、大腸がんが増えていると実感しています。
大腸がんの他には
乳がん、前立腺がんなどのいわゆる欧米型のがんが増えているのも実感しています。
今回は、
日本における
「欧米型のがん(大腸がん、前立腺がん、乳がん)増加」
と
「従来型(胃がん、肺がん)減少」
についての背景、原因、そして対策を解説していきます。
欧米型がん(大腸がん・前立腺がん・乳がん)の増加とその背景
1. 欧米型がんとは?
大腸がん・乳がん・前立腺がん
は、欧米で高い罹患率を示してきた
“欧米型がん”
に分類され、日本でも近年増加傾向です。
日本では、
大腸がん・女性乳がん・子宮頸がんなどのスクリーニング関連がん
は、かつて低かった死亡率が欧米と同等以上に増加している傾向です。
特に大腸がんは増加が顕著です。
2. 増加の原因
食生活の欧米化:高脂肪・高カロリー・低食物繊維の食習慣への変化が、大腸がんや乳がん、前立腺がんと関連しています。
日本人集団でも欧米型の食事パターンが前立腺がんリスクの上昇につながる調査があります。
肥満・ライフスタイルの変化:運動不足や肥満、アルコール・喫煙などの生活習慣も関与です。
3. 対策
食習慣の見直し:野菜・果物・食物繊維を中心とした食事を心がけ、加工肉や過度な脂肪摂取は控えましょう。
適切な検診の推進:
大腸がん:便潜血検査、陽性時に内視鏡検査を推奨。
乳がん:マンモグラフィなどによる定期検診。
前立腺がん:家族歴などリスクの高い方は早期開始検診を検討。
映画などデジタル媒体を活用した情報普及も効果的。
減少している従来型がん(胃がん・肺がん)とその要因
1. 胃がんの劇的な減少
胃がんは日本で長らく高頻度のがんでしたが、近年は
罹患・死亡率ともに大幅に低下しています。
主因は
ピロリ菌感染率の減少と 除菌治療の普及
です。
日本では1990年代以降の生活環境の改善と医療制度による除菌推進が減少に貢献しています。
また、がん検診(X線・内視鏡検診)が普及し、早期発見が進んだことも大きな要因です。
2. 肺がん(特に男性)の減少傾向
男性の肺がん死亡率は、喫煙率の低下や治療技術の進歩により減少傾向にあります。
とはいえ、喫煙率自体は依然として欧米に比べ高い水準であり、さらなる対策が望まれます。
総まとめと医師からの提案
がんの種類 | 傾向 | 主な原因/背景 | 対策の方向性 |
---|---|---|---|
大腸がん・乳がん・前立腺がん | 増加傾向 | 食の欧米化、肥満、生活習慣の変化 | 食事改善、定期検診の徹底 |
胃がん | 減少傾向 | ピロリ菌の減少、除菌治療、検診普及 | 引き続き除菌とがん検診の強化 |
肺がん(男性中心) | 減少傾向だが停滞 | 喫煙率低下、治療進歩 | 禁煙促進と早期発見治療の強化 |
まとめ
日本社会では
「欧米型がん」
が確実に増加していますが、
「昔型の胃がん・肺がん」
は着実に減少しています。
この背景には、社会全体のライフスタイル変化、医療介入、検査技術の進化があります。
今後に向けた重点は以下です:
-
生活習慣の是正:食と運動、肥満対策、禁煙促進など。
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検診・予防の強化:大腸・乳・前立腺がんのスクリーニング普及。
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医療システムの適応:胃がん検査の個別化(ABC分類など)と資源配分の見直し。
日々の診療では、患者様への生活指導と予防意識の啓発を中心に、がんの「減らす」社会へと貢献していきたいと考えています。