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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年09月01日
こんにちは、平島です。
まだまだ暑い日が続いていますが、朝晩は少し暑さも和らいで来ましたので、
「そろそろ運動をしてはどうでしょうか?」
と
診察の際に患者さんに話すことが多くなってきました。
夏と冬
に便秘になる人が多くなると診察の際に実感しています。
夏→喉が渇くので、水分摂取はしているものの汗で出る分に追いついていないので、脱水気味になって、便が硬くなる
冬→寒いので喉が渇かずに水分摂取が少なくなって、便が硬くなって出にくくなる
ということが関係して、便秘気味のことが多いのではないかと推察しています。
今回は
「便秘に対する腸活と腸内環境の関係」
について解説していきたいと思います。
慢性的な便秘には、
腸内環境の乱れと免疫機能の低下
が密接に関係しています。
特に、
小腸に存在するパイエル板(Peyer’s patches)
は、
腸管免疫の要です。
乳酸菌のようなプロバイオティクスがこの部位を刺激し、
粘膜免疫を活性化することで腸内のバリア機能が高まり、
ぜん動運動や排便リズムが整うとされます。
このため、
腸内免疫のスイッチをしっかり入れるには、
数多くの乳酸菌摂取が必要
と考えられ、目安として
「1日1兆個」の乳酸菌
をお勧めする背景には、
食事や市販ヨーグルトでは到底摂取できない量である点があります。
よって、
この量を継続的に摂取しようと思えば、
サプリメントによる補充が現実的な手段
となります。
ビタミンDは骨や免疫だけでなく、
腸内フローラの多様性の維持にも関わることが研究からわかっています。
自然な摂取源である日光浴や食事(魚やキノコなど)では、年間を通じて十分な量の確保が難しく、
特に冬場や室内生活の多い現代人には不十分
です。
そのため、
腸粘膜や腸内バランスを維持するための
1日4,000 IUという高用量ビタミンD
もサプリメントで確実に補給するしかない
と考えられます。
定期的な血中25(OH)Dの測定
で
実際にどれぐらいのビタミンDの血中濃度であるのか?
を把握しておくことが効率的な摂取の目安となります。
以下のポイントをしっかり習慣化することが、なにより重要な基盤となります:
食物繊維
毎食、野菜・豆類・海藻・全粒穀物などをバランスよく。便のかさを増やし蠕動を促進。
発酵食品・プレバイオティクス
ヨーグルトや納豆などは善玉菌を補い、オリゴ糖などはそのエサとなって菌の定着を支えます。
水分補給
1日1.5リットル以上の水分を、ノンカフェイン(例:麦茶・水)でこまめに摂る。便を柔らかくし、流動性を高めます。
適度な運動とストレスケア
ウォーキングや腹部運動で腸の蠕動活性化。睡眠や趣味でストレスを和らげ「腸–脳軸」も整える。
項目 | 内容 |
---|---|
乳酸菌 | 1日1兆個レベルの摂取を目指す→市販ヨーグルトでは不可→サプリメントが必要 |
ビタミンD | 1日4,000 IUの補給が腸内環境に有効→日光食事だけでは不十分→サプリが必要 |
食物繊維・発酵食品・水分 | 毎日の食事と水分で整えるベースとして必須 |
その他生活習慣 | 運動・ストレス対策・睡眠も腸内環境維持の柱 |
これらを組み合わせることで、腸内フローラの改善、腸粘膜および免疫機能の向上、便秘の解消に確かな効果が期待されます。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。