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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年09月22日
こんにちは、平島です。
ようやく、朝晩は涼しくなってきましたので、運動を始めても良いですね!
私は、ランを中心に朝早くトレーニングするようにしています。
認知症や物忘れのことを診療中に聞かれることが多くあります。
「最近、物忘れが気になる…」
そんな不安を抱えていませんか?認知症予防には様々な方法がありますが、
毎日の
「食事」
が非常に重要であることが、
最新の研究で次々と明らかになっています。
今回は、大規模な調査で
「認知症になりにくい」
と判明した、とっておきの食品を4つを解説していきたいと思います。
1. カレー:週1回以上で軽度認知障害リスクが大幅減
カレーのスパイス、ウコンに含まれる
「クルクミン」
が認知症予防に有効であることは以前から知られていました。
2025年7月に国際栄養学誌で発表された最新の研究では、その効果が改めて証明されました。
シンガポールの住民を対象とした調査で、
カレーを食べる頻度が高いほど認知機能低下のリスクが低く、毎日食べるグループでは軽度認知障害(MCI)や認知症の発症リスクが約80%も低下した
のです。
カレーを食べるなら断然「朝食」か「昼食」がおすすめです。
スパイスが体温上昇を助け、代謝が活発な時間帯に食べることで、高カロリーなカレーも効率よくエネルギーに変わるからです。
2. ナッツ|毎日の習慣でリスクを12%低減
おやつに最適なのが
「ナッツ」
です。
イギリスの約5万人を対象とした大規模研究では、
毎日ナッツを食べる人は、食べない人と比べて認知症発症リスクが12%低い
ことが判明しました。
ナッツ類は良質な脂質や食物繊維、そして強力な抗酸化作用を持つビタミンEが豊富で、動脈硬化を防ぎ、脳の血管を守る働きがあります。
強い抗酸化力を持つ
「カシューナッツ」
もお勧めです。
ただし、
食べ過ぎは禁物。
研究で最も効果的だったのは
「1日30g(アーモンドで約23粒)まで」の無塩ナッツ
です。
適量であれば、顔のシワ減少や美肌効果も報告されており、まさに一石二鳥の食品です。
3. 魚|最強の脳の栄養素「オメガ3」
良質な脂質といえば、
「魚」
に含まれる「オメガ3系脂肪酸(DHA・EPA)」も欠かせません。
国立がん研究センターが2021年に発表した研究では、
中年期に魚を多く食べるグループは、そうでないグループに比べて
15年後の認知症リスクが61%も低下した
と報告されています。
特にDHAは脳を活性化し、アルツハイマー型認知症の予防に有効とされます。
オメガ3は熱に弱いため、刺し身など生で食べるのが最も効率的。
生の魚ではクロマグロ(脂身)、サンマ、ブリなどが特に含有量が多くおすすめです。
サバ缶やサンマ缶なども手軽にオメガ3を摂取できる優れた食品です。
4. 緑茶|認知機能の改善も期待できる
毎日の飲み物なら「緑茶」が一押しです。緑茶に含まれる「カテキン」には強力な抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎます。
ある臨床試験では、認知症患者が粉末緑茶を摂取したところ、3ヶ月後に記憶力を測るテストの点数が改善。
特に
「少し前の記憶(朝食に何を食べたかなど)」
が目立って改善したという結果が出ています。
まとめ:食べ方そのものも脳への刺激に
いかがでしたか?これらの食品に加え、
「多様な食材を」「仲間と楽しく」「時には外食で新しいメニューに挑戦し」「自分で料理する」
といった「食べ方」も重要だと指摘します。
脳の健康は、日々の食卓から作られます。まずは、いつもは食べないものに一つチャレンジすることから始めてみませんか?
今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。