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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年10月06日
こんにちは、平島です。
ようやく涼しくなってきて、朝晩は過ごしやすくなってきましたね。
私もようやく朝ランを快適に走れるようになりました。
真夏の暑い時期は朝5時でもかなり暑く、走りのパフォーマンスがかなり下がってしまいます。
クリニックで診察をしていると
「食事に気をつけているのに、血糖値が下がらない」
「HbA1cの数値が気になる」
という悩みを持たれている方を多く目にします。
健康診断の結果を見て、そうお悩みの方も多いのではないでしょうか。
糖尿病の予防や改善は、
厳しい食事制限や長時間の運動といった「我慢」
が全てではありません。
実は、
日々のちょっとした工夫と正しい知識こそが、血糖コントロールの鍵を握っているのです。
今回は、
特に
「腸活」と血糖値の深い関係
に焦点を当て、明日からすぐに実践できる3つの新常識を解説します。
血糖値スパイクを防ぐには、まず血糖値を急激に上げる食品を知ることが重要です。
○意外な落とし穴:
驚かれるかもしれませんが、
脂質の少ない和菓子や、食物繊維が取り除かれた市販の野菜ジュース、そして砂糖が入っていなくても糖質が多いカフェラテなど
は、
糖の吸収が速く、急激な血糖値スパイクを招きやすい代表的な食品
です。
○食事の正解は「腸活」にあり:
血糖値を安定させるには、腸内環境を整えることが非常に効果的です。特にお勧めしたいのが
「納豆」と「豆乳ヨーグルト」
です。
納豆のネバネバ成分は糖の吸収を穏やかにし、キムチや酢と組み合わせることで、インスリンの働きを助ける効果がさらに高まります。
特に、
もずくやオクラといった水溶性食物繊維と一緒に摂ると、腸内でゲル状の膜を作り、糖の吸収を二重でブロックしてくれます。
また、
牛乳由来のカゼインは体質によって腸に炎症を起こす可能性があるため、私たちは
植物性の豆乳ヨーグルト
を推奨しています。
これに、
インスリンの働きを助けるシナモンや、抗酸化作用の強い純ココア
などを加える「追い足し」で、腸内環境を整え、血糖値をコントロールする力を高めましょう。
「1万歩歩きましょう」とよく言われますが、もっと効率的な方法があります。
それは、
食後の血糖値スパイクを「狙い撃ち」することです。
私たちの体の糖の約7割は、筋肉で消費されます。筋肉は、体で最大の
「糖の貯蔵庫」
であり、
食後に血液中に溢れた糖を最も効率よく片付けてくれる存在です。
食後15分~30分の血糖値がピークになる時間帯
に、
この筋肉を少しでも動かすことが、長時間のウォーキングよりも効果的な場合があります。
特にお勧めなのが、
お尻や太ももといった大きな筋肉を刺激する
「スロースクワット」
です。
「7秒かけてゆっくり下がり、7秒かけてゆっくり上がる」
を10回繰り返すだけ。
テレビを見ながらでもできるこの簡単な「ながら運動」が、食後の血糖値を驚くほど安定させてくれます。
空腹を我慢しすぎると、次の食事でどか食いをし、かえって血糖値スパイクを招きます。
間食は、血糖値を安定させるための重要な戦略です。
○おすすめの間食:
食物繊維が豊富な冷やし焼き芋や、良質な脂質とマグネシウムを含むナッツ類(1日20g程度)
が最適です。
フルーツも、食後のデザートではなく「3時のおやつ」として拳1つ分を目安に摂れば、血糖コントロールの強い味方になります。
血糖値やHbA1cの改善は、日々の小さな工夫の積み重ねです。
まずはこの3つを意識するだけで、あなたの体はきっと良い方向に変わり始めます。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。