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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ

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中性脂肪が高い本当の理由。犯人は「お肉」ではなく、あなたの「腸」にいた?

2025年10月13日

  • 院長ブログ

こんにちは、平島です。

ようやく、朝晩は涼しくなってきており、時折寒い日もあるぐらいになってきましたね。

私も、朝ランが気温が下がった影響で、かなり楽に走れるようになってきました。

来年の

ホノルルトライアスロン2026

に向けて、練習を本格化していこうと思います。

クリニックの採血や健康診断での採血で

中性脂肪

が高い人を多く目にしますが、

「脂っこい物は控えているのになあ。。。」

という人が多くいます。

健康診断の結果が届くたびに、

「また中性脂肪で引っかかってしまった…」

と溜め息をついていませんか?

多くの方が、

「お肉や揚げ物などの脂っこいものを食べ過ぎたかな」

と反省されますが、実はその認識は、半分正解で半分間違いです。

もちろん、

揚げ物や悪い油の摂りすぎは良くありません。

しかし、

中性脂肪の数値を押し上げる最大の黒幕は、

お肉の脂ではなく、

あなたが毎日何気なく口にしている

「糖質」と、その影響で疲弊しきった「腸内環境」

にあるのです。

今回は、中性脂肪と腸の深い、そして少し怖い関係について解説していきます。

①:中性脂肪は、余った「糖質」の最終形態である

まず、

最も重要な事実としては、

血液中の中性脂肪は、

あなたが食べた脂質から直接作られるわけではありません

その主な原料は、

使い切れずに余ってしまったごはん、パン、麺類、そして甘いお菓子や果物に含まれる

「糖質」

なのです。

食事で摂った糖質は、まず体を動かすエネルギーとして使われます。

しかし、

現代人の食生活では、このエネルギーはすぐに飽和してしまいます。

行き場を失った余剰な糖質は、

肝臓という工場でせっせと

中性脂肪

に作り替えられ、予備のエネルギーとして血液中に放出されます。

これは、

食料が乏しかった時代に、余ったエネルギーを効率よく体に蓄えるための、人類の生存戦略でした。

しかし、

飽食の現代においては、この素晴らしいシステムが裏目に出て、

常に血液中に中性脂肪が溢れかえっている状態

を招いているのです。

つまり、

中性脂肪の数値が高いということは、

「あなたの体は、処理しきれないほどの糖質で溢れていますよ」

という、体からの最初の警告サインなのです。

②:「腸漏れ」が肝臓に火事を起こし、中性脂肪を燃え上がらせる

ここからが、本題です。

「糖質の摂りすぎが中性脂肪を増やす」

という話に、なぜ「腸」が関係するのでしょうか。

その鍵を握るのが

「腸肝連関」

「腸漏れ(リーキーガット)」

です。

腸と肝臓は、

「門脈」

という太い血管でダイレクトに繋がっています。

腸で吸収された栄養素や物質は、まず最初に肝臓に運ばれるのです。

健康な腸であれば、体に必要な栄養素だけが肝臓に届けられます。

しかし、

糖質の多い食事や悪い油、ストレスなどで腸内環境が悪化し、

「腸漏れ」

が起きるとどうなるでしょう。

腸のバリア機能が壊れ、本来であれば体内に入ってはならない

悪玉菌の毒素「LPS(リポ多糖)」

が、門脈を通って肝臓に大量に流れ込んでしまいます。

肝臓にとって、このLPSは最上級の“テロリスト”です。

LPSが侵入すると、

肝臓内では「炎症」という名の“火事”

が起こります。

火事の対応に追われる肝臓は、

本来の仕事である糖や脂質の代謝がおろそかになり、

ますます糖質を中性脂肪に変えやすくなってしまうのです。

さらに、

この炎症は脂肪肝を進行させ

肝臓の機能をさらに低下させるという、最悪の悪循環に陥ります。

つまり、

「腸の不調(腸漏れ)が、肝臓の不調(炎症)を引き起こし、その結果として中性脂肪が増加する」

これが、中性脂肪が高い背景に隠された、もう一つの重要な真実なのです。

③:腸内環境を整えることが、最高の中性脂肪対策である

この負のスパイラルを断ち切るにはどうすれば良いか。答えはシンプルです。

「腸内環境を整えること」

こそが、遠回りのようで、実は最も本質的で効果的な中性脂肪対策なのです。

1. 悪玉菌のエサ(糖質)を減らし、善玉菌のエサ(食物繊維)を増やす

まずは、

中性脂肪の直接の原料であり、腸内の悪玉菌を増やす元凶である

精製された炭水化物(白米、パン、麺類)や砂糖

を減らすことが第一歩です。

その上で、

善玉菌の最高のごちそうである

水溶性食物繊維(海藻、きのこ、オクラ、大麦など)

を積極的に摂りましょう。

善玉菌は、水溶性食物繊維を食べることで

「短鎖脂肪酸」

というスーパー物質を作り出します。

この短鎖脂肪酸は、腸の粘膜を修復して

「腸漏れ」

を防ぐだけでなく、血流に乗って肝臓に到達し、

肝臓での過剰な脂肪の合成を抑制する働きがあること

がわかっています。

つまり、

腸内細菌に良い仕事をしてもらうことが、肝臓の負担を減らし、中性脂肪を下げることに直結するのです。

2. 炎症を鎮める「良い油」を摂る

体中の炎症(火事)を促進する、酸化した油やサラダ油、トランス脂肪酸(オメガ6系)

を控え、

炎症を鎮火してくれるオメガ3系の油(青魚、アマニ油、えごま油)

を積極的に摂りましょう。

腸と肝臓の火事を消すことが、代謝を正常化させる鍵です。

3. 食後の軽い運動で、糖を燃焼させる

食後15分〜30分は、血糖値がピークになるゴールデンタイム。このタイミングで15分程度のウォーキングや、その場でのスクワットなど

を行うと、

血液中の糖が中性脂肪に変換される前に、筋肉がエネルギーとして消費してくれます。

肝臓の仕事を助ける、非常に効果的な習慣です。

まとめ

健康診断で指摘される「中性脂肪」の数値。それは、単なる数字ではありません。

「糖質の摂りすぎ」

「腸の悲鳴」

という、体からの二重のメッセージです。

数値を下げるために薬を飲むことも一つの選択肢ですが、

その根本原因である食生活や腸内環境を見直さなければ、問題は解決しません。

腸をいたわり、腸内細菌を育てる生活こそが、

中性脂肪をコントロールし、ひいては将来の動脈硬化や心筋梗塞、脂肪肝といった深刻な病からあなたを守る、最も賢明な道なのです。

では、今週も頑張っていきましょう!

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この記事を書いた人

平島 徹朗 医師

平島 徹朗

医師

国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。

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