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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ

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その保険のビタミンD、意味ないかも?医師が本音で語る「がん予防」と免疫の真実

2025年10月20日

  • 院長ブログ

こんにちは、医師の平島です。

涼しさを通り越して、寒くもなってきたようですが、私はまだまだ暑い感じで過ごしています。

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もエントリーが開始になったので、そろそろ応募しようと考えている今日この頃です。

近年、

ビタミンD

が免疫向上やがん予防に重要であることが広く知られるようになりました。

しかし、

「病院でビタミンDの薬を処方されて、飲んでいるから大丈夫」

と安心されている方に、今日は少し衝撃的な事実をお伝えしなければなりません。

結論から言いますと、

骨粗鬆症の治療などで保険診療で処方されるビタミンDをいくら飲んでも、

科学的根拠のあるがん予防はできません。

なぜなら、

保険で処方されるビタミンDと、がん予防のエビデンスがあるビタミンDは、全く異なる物質だからです。

今回は、

その決定的な違いと、本当に免疫力を高めるための「最強タッグ」について、消化器内科医の視点から徹底解説します。

①:衝撃の事実。がん予防に必要なのは「貯蔵型」、保険の薬は「活性型」

まず、最も重要なポイントです。

ビタミンDには、体内で働く段階に応じていくつかの種類があります。

○貯蔵型ビタミンD (25(OH)D₃):

日光浴やサプリメントで摂取した後、肝臓で代謝されてできる形態です。

体内に安定して蓄えられ、血中濃度も安定しています。

がんの死亡率減少に科学的根拠があるとされているのは、

この「貯蔵型」の血中濃度が高い時

です。

○活性型ビタミンD (1,25(OH)₂D):

貯蔵型がさらに腎臓で代謝され、最終的にホルモンとして働く形態です。保険診療で処方される薬は、

この「活性型」

です。

この違いが、決定的な差を生みます。

保険で処方される「活性型」ビタミンDをいくら飲んでも、

がん予防のエビデンスの根拠となる「貯蔵型」の血中濃度は上昇しません。

つまり、

目的が全く違うのです。がん死亡率の減少という科学的根拠を得たいのであれば、

サプリメントなどで1日4000IUの高濃度のビタミンD

を摂取して、

「貯蔵型」の血中濃度を直接上げることが不可欠です。

②:ビタミンDはビタミンではない?全身を司る「最強ホルモン」の正体

そもそもビタミンDは、厳密にはビタミンではありません。

体内で生成できるため、その本質は全身の細胞に指令を出す

「ステロイドホルモン」

です。

その指令を受け取るアンテナである

「ビタミンD受容体(VDR)」

は、

骨だけでなく、脳、心臓、膵臓、そして私たちの専門領域であるや、全身の免疫細胞など、ほぼすべての細胞の核に存在します。

ビタミンDがこの核内受容体に結合すると、

遺伝子レベルでスイッチが入り、

様々な機能が調整されます。

これが、

ビタミンDが単なる骨のビタミンではなく、免疫や代謝を司る

「全身の司令塔」

と呼ばれる所以です。

③:免疫力を最大化する「最強タッグ」。ビタミンDと乳酸菌の相補作用

免疫を効率よく上げるには、異なる二つのアプローチを組み合わせることが不可欠です。

それが、

1日4000IUのビタミンD

1日1兆個の乳酸菌

の「最強タッグ」です。

経路1:ビタミンDによる「全身性」の免疫調整

ビタミンDは、

ホルモンとして血流に乗り、全身を巡回する免疫細胞(マクロファージ、T細胞など)に直接働きかけます。

免疫の過剰な暴走(アレルギーなど)を抑え、

ウイルスなど外敵への攻撃力を高めるなど、免疫システム全体を賢く統括するトップダウン式のアプローチです。

経路2:乳酸菌による「腸管局所」の免疫活性化

特に強調したいのが、

1日1兆個もの数多くの乳酸菌の役割です。

ビタミンDが全身をコントロールするのに対し、乳酸菌は体の最大の免疫器官であるを鍛える「トレーナー」です。

小腸には「パイエル板」という免疫細胞のトレーニングセンターがあり、

乳酸菌やその菌体成分がここを刺激することで、

腸管の免疫システム(GALT)

が活性化します。

これは、

最大の侵入経路である腸のバリアを局所で強化する、ボトムアップ式のアプローチです。

この全身を統括する司令塔(ビタミンD)

最前線を鍛えるトレーナー(乳酸菌)

の両輪が揃って初めて、私たちの体は真に強固な免疫システムを構築できるのです。

【結論】明日から始めるべき、具体的なアクションプラン

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。

1,ビタミンDは「貯蔵型」をサプリメントで

がん予防の至適値とされる

血中濃度(50 ng/mL以上)

を維持するためには、

食事や日光浴だけでは不十分です。

サプリメントで

「貯蔵型ビタミンD₃」

を摂取することが推奨されます。

製品を選ぶ際は、

「100µg = 4000IU(国際単位)」

という換算式を参考に、適切な量を継続的に摂取しましょう。

2,乳酸菌は「1日1兆個」を目安に

腸管免疫をしっかりと活性化させるには、圧倒的な「数」で免疫スイッチを押すことが重要です。

研究により、死菌であっても効果があることがわかっていますので、菌の生死よりも含有量を重視して選びましょう。

がん予防、そして全身の健康のためには、

「貯蔵型ビタミンD」の血中濃度を上げること

そして

1日4000IUのビタミンDと1日1兆個の乳酸菌を組み合わせて摂取すること

これが、

現代の健康対策の基本となります。

ご自身の体調や健康診断の結果についてご不安な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。

では、今週も頑張っていきましょう!

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この記事を書いた人

平島 徹朗 医師

平島 徹朗

医師

国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。

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