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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年12月15日
こんにちは、平島です。
遂に、
内視鏡チャンネルが
チャンネル登録者数50万人
を突破しました!
胃と腸の健康解説 内視鏡チャンネル
https://www.youtube.com/@naishikyo_ch
本格的に始めたのが2020年のコロナ禍だったので、
こんなに早く50万人に達するとは夢にも思いませんでした!
最初の頃は
1つの動画の視聴回数が数回だったり、全く視聴されなかったりと
かなり低迷した時期もありましたが、
全くめげずに淡々と続けてきた甲斐がありました!
今後もみんなの興味がある健康のことや食事のことなどを投稿していきますので、
引き続き
内視鏡チャンネル
をよろしくお願いします!

診察室でよくこのようなご相談をいただきます。
「先生、炭水化物(お米)を減らしているのに、全然痩せないんです」
「お酒も飲まないのに、健康診断で脂肪肝と言われました」
実は今、お酒を飲まない人や若い女性の間で、代謝機能の低下によって肝臓に脂肪が溜まる
「新脂肪肝(MASLD:代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」
が急増しています。
痩せるためには肝臓が代謝機能をフル回転させる必要がありますが、
肝臓がフォアグラ状態になっていては、
どんなに努力しても代謝が落ちてしまい、痩せにくい体になってしまうのです。
では、
なぜお米を控えているのに脂肪肝になってしまうのでしょうか?
その犯人は、私たちが無意識に口にしている
「見えない糖質」
にあります。
糖質と一言で言っても、実は
「吸収スピード」に大きな違いがある
ことをご存知でしょうか?
お米や芋類に含まれるでんぷんは
「多糖類」
と呼ばれ、分解に時間がかかるため吸収は比較的ゆるやかです。
一方で、
果物や砂糖などに含まれる
単糖類・二糖類
は、体にスピーディに吸収され、血糖値を急上昇させます。
その中でも、私が特に警鐘を鳴らしているのが、
「異性化糖(いせいかとう)」
と呼ばれる液体の糖質です。
これは
トウモロコシなどから人工的に作られたシロップ
で、
ブドウ糖の10倍
も体に悪さをすると言われるほど、新脂肪肝になるリスクが高い成分です。
液体であるため、
体内に入った瞬間に吸収され、血糖値を急激に上げると同時に、
体内で
「脂肪を増やすスイッチ」
を即座に入れてしまうのです。
この異性化糖の恐ろしい点は、私たちが
「健康に良い」
と思って摂取しているものに潜んでいることです。
例えば、
健康のために飲んでいる
「野菜ジュース」
「お酢ドリンク」
「乳酸菌飲料」
これらは体に良いイメージがありますが、飲みやすくするために大量の異性化糖が含まれているケースが非常に多いのです。
具体的な糖質の量を見てみましょう(100g/mLあたりの目安など)。
○乳酸菌飲料:わずか80〜100mLの小瓶でも、糖質が約16gも含まれていることがあります。
○スポーツドリンク:500mLのペットボトル1本で、スティックシュガー約7〜13本分(糖質約25g)もの糖分を摂取することになります。
○お酢ドリンク:ダイエット目的で飲んでいても、コップ1杯(200mL)に約8gの糖質が含まれていることが多いです。
これらを水代わりに飲んでいると、
急性の糖尿病に近い状態(ペットボトル症候群)
になる危険性すらあります。
また、
飲み物だけではありません。
朝食に良かれと思って食べている
フルーツグラノーラ
も、砂糖やドライフルーツによる糖質が高めです。
さらに盲点なのが、
「めんつゆ」「ポン酢」「カレールウ」「ドレッシング」
といった調味料です。
「甘くないから大丈夫」と思いがちですが、コクやうまみを出すために、裏側でたっぷりと異性化糖が使われているのです。
「じゃあ、何を食べればいいの?」
と不安になるかもしれませんが、対策はシンプルです。
食品を買う前に、パッケージの裏にある「原材料名」を確認する習慣をつけてください。
そこに以下の文字があったら要注意です。
○果糖ぶどう糖液糖
○ぶどう糖果糖液糖
○高果糖液糖
これらが記載されている食品、特に清涼飲料水や加工食品を避けるだけで、肝臓への負担は劇的に減ります。
ダイエットのためにお米(固形の炭水化物)を極端に減らすよりも、
こういった
「知らず知らずのうちに摂っている液体の糖質」をカット
する方が、新脂肪肝の改善には遥かに効果的です。
肝臓の脂肪が取れて代謝機能が復活すれば、体は自然と
「勝手に痩せていくモード」
に切り替わります。
まずは今日、冷蔵庫にあるドレッシングや飲み物の裏側をチェックしてみてください。
それが、あなたの代謝を蘇らせる第一歩になります。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。