MENU
閉じる
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年02月02日
こんにちは、平島です。
寒さが一段と強くなってきていますが、私は相変わらず
Tシャツにパーカーを羽織っているだけ
で外出しています。
どうしても移動の電車の中はかなり暑いので、
上着を持っているとどうしても邪魔になってしまいます。
筋トレも時間が取れない中、週1ですが、10年ぐらいは続けていますので、
筋肉という上着を着ているような感覚
で寒さをあまり感じません。
診療をしていると、
メンタル的な影響で
胃痛や腹部の不快、下痢など
が出ているケースが非常に多いと感じます。
最近医療界隈でも大きな話題となっている
「メンタルヘルスと栄養」
について、お話をしたいと思います。
「うつ病には抗うつ薬」
というのがこれまでの常識でしたが、
最近の研究報告や臨床現場の感覚として、
実は
「ビタミンD」と「オメガ3脂肪酸」
の組み合わせが、従来の薬を凌駕するほどのインパクトを脳に与えるのではないか
ということが注目されています。
実はこれ、私たちの専門である
「脳腸相関(のうちょうそうかん)」
に深く根ざした話なのです。

まず、
ビタミンDについてです。
これは単なるビタミンではなく、体内では
「ホルモン」
として、全身の免疫や粘膜の修復を司っています。
私たちの腸には、細胞同士をピタッと繋ぎ止める
「タイトジャンクション」
というファスナーのような構造があります。
ビタミンDはこのファスナーが壊れないように補強する役割を担っています。
もし
ビタミンDが不足してこのバリアが緩むと、
腸の中の毒素や未消化のタンパク質が血液中に漏れ出す
「リーキーガット(腸もれ)」
が起こります。
血流に乗った毒素はやがて脳に到達し、脳内で微細な炎症、
つまり
「慢性炎症」
を引き起こします。
これが心の不調の大きな原因の一つと考えられています。
次に
オメガ3(DHA・EPA)
です。
脳の約60%は
「脂質(油)」
でできています。
いわば、脳は油の塊のような精密機械です。
現代人に多いオリーブ油やサラダ油(オメガ6系)ばかりを摂っていると、
脳の細胞膜はガチガチに硬くなってしまいます。
一方で、
青魚などに含まれるオメガ3は、
細胞膜をふっくらと柔らかく保つ働き
があります。
細胞膜が柔らかければ、
幸せを感じる「セロトニン」などの神経伝達物質の受け渡しがスムーズになります。
逆に膜が硬いと、
どんなに薬でセロトニンを増やそうとしても、受け皿が機能しません。
つまり、
良質な油は脳の「通信機能」を整える基盤なのです。
抗うつ薬は、
脳内の特定の物質を「調整」
するものです。
しかし、そもそも
「腸もれ」によって脳が炎症を起こしていたり、
脳の材料である油が酸化してボロボロだったりすれば、
いくら薬を使っても、根本的な解決にはなりません。
ビタミンDで腸のバリアを修復し、
オメガ3で脳の細胞をリニューアルする。
この
「土台の再建」
こそが、時に薬という対症療法を上回るほどの劇的な改善をもたらす理由だと私は考えています。
特別な治療を始める前に、今日からできることは非常にシンプルです。
1日15分は日光を浴びる:体内でビタミンDを合成する唯一の方法です。
週に3回は青魚を食べる:サバやイワシから良質なオメガ3を直接補給しましょう。
腸を休ませる:糖質の摂りすぎを控え、腸のバリアを壊さない食生活を心がけてください。
お腹の調子が悪いとき、心もどこか晴れないのは、あなたの腸が脳に「助けて」と信号を送っているからです。
逆に、
腸を整えることは、あなたの大切な脳と心を守ることに直結しています。
「最近、気分が沈みがちだな」
と感じたら、
まずは自分のお腹と向き合ってみませんか?
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。