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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年02月16日
こんにちは、平島です。
先日は、関東でも雪が積もって、久しぶりの雪景色でした。
雪を言い訳にせずに、その日の朝も軽くランニングは行いましたが、
雪景色の中でのランニングは気持ちよかったです!
胸焼けや喉の違和感、そして酸っぱいものが上がってくる不快感……。
診察室で
「逆流性食道炎」
に悩む患者さんと向き合わない日はありません。
しかし、多くの方が「薬を飲めば治る」と誤解されています。
今回は、安易な薬の長期服用に潜むリスクと、私が実際に患者さんに話している
ことを書いてみます。

逆流性食道炎の治療で一般的に処方される
PPI(タケキャブ、タケプロン、ネキシウム、パリエットなど)
は、強力に胃酸を抑えます。
しかし、
これはあくまで
「出ている酸を少なくして、逆流しても痛くないようにしている」
だけの、いわばその場しのぎに過ぎません。
「症状が消えるから」と漫然と何年も飲み続けることは、お勧めできません。
○認知症のリスク: 近年の研究では、
PPIの長期服用が認知症の発症リスクを高める可能性が指摘されています。
○消化不良と「お腹の張り」: 胃酸は食べ物を消化する大切な役割を持っています。
薬で無理やり酸を抑えてしまうと、不消化なまま食べ物が腸へと送り込まれます。
すると腸内で異常発酵が起き、ガスが溜まってお腹が張る原因になるのです。
胃と食道のつなぎ目には、逆流を防ぐためのバルブ(下部食道括約筋)があります。
このバルブを外側から支えているのが
「横隔膜」
です。
薬で酸を消すのではなく、この「バルブの締め付け力」を物理的に取り戻すこと
が根本治療への近道です。
そのために私が話しているのが、横隔膜をダイレクトに鍛える
「腹式呼吸」
です。
○回数: 朝晩、30回ずつ欠かさず行ってください。
○やり方: 鼻からゆっくり息を吸いながらお腹を大きく膨らませ、口から細く長く、お腹を凹ませるように吐き出します。
○ポイント: 習慣化することで、横隔膜が天然のサポーターとして機能し、物理的に逆流しにくい体質へと変わっていきます。
「何を食べるか」と同じくらい、「いつ食べるか」
が逆流性食道炎の改善には重要です。
胃の中に食べ物が残った状態で横になると、重力の影響でどうしても酸は逆流しやすくなります。
夕食は就寝3時間前までに済ませる。
胃を空っぽにしてから眠りにつくことが、夜間の不快感を防ぐ最大の防御策です。
内視鏡で見ると、逆流を繰り返している方の粘膜は非常に脆くなっています。
○ビタミンD(1日4000IU): 腸のバリアと同様、食道の粘膜細胞の結合(タイトジャンクション)を強固にし、
酸に負けない「強い粘膜」を再構築します。
○オメガ3脂肪酸: 炎症を鎮め、粘膜の修復をサポートします。
逆流性食道炎は、単なる胃の病気ではなく
「生活習慣の乱れ」
を知らせる警告灯です。
胃酸は悪者ではありません。食べ物を消化し、体を有害な菌から守る大切な味方です。
その味方を薬で消し去るのではなく、
「逆流しない構造」を自分の力で作り上げること
を目指しましょう。
朝晩30回の腹式呼吸、3時間前の食事、そして粘膜を整える栄養。
この3つの柱で、あなたの胃腸は必ず変わります。
もし症状が長引く場合は、隠れた病気がないか内視鏡で一度確認しましょう。
先日、私たちの著書である
「たんぱく質と腸の新常識」
の中国版が中国で出版されました。
日本語版と少し表紙の感じが違いますし、中身は中国語なので、全く読めません!

では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。