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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ

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2026年02月23日

  • 院長ブログ

こんにちは、平島です。

寒暖差があるこの時期ですが、風邪などは引いていないでしょうか?

私は、相変わらずTシャツにパーカーの薄着で行動していますが、毎年こんな感じです。

冬の時期は運動量が減ることもあり、

胃もたれや胃の不快

を訴える方が多くなる季節です。

「昨日の食事がまだ残っている気がする」

「少し食べただけで胃が重い」

こうした「胃もたれ」を感じたとき、多くの人は「加齢のせい」や「食べ過ぎ」で済ませてしまいがちです。

しかし、

毎日数多くの胃粘膜をスコープで診ている立場から言わせていただくと、

その

「いつもの胃もたれ」

こそが、重大な病気を見逃さないための唯一のサインかもしれません。

1. 「機能性ディスペプシア」と胃がんの境界線

実は、

胃もたれを感じて受診しても、胃カメラで「異常なし」と言われるケースが多々あります。

これは

「機能性ディスペプシア(FD)」

と呼ばれる状態で、胃の動きが悪かったり、知覚過敏が起きたりしている状態です。

しかし、

ここで安心してはいけません。胃がんは「沈黙の病」です。

胃がんそのものが痛みを発することはかなり稀で、

多くの場合、かなり進行した胃がんが胃の動きを物理的に邪魔したり、

酸の分泌を乱したりすることで「胃もたれ」として自覚されることが稀にあります。

つまり、

胃もたれは

「胃が悲鳴を上げている初期症状」

であるとも言えます。

2. 胃がんの「真の犯人」と粘膜の老化

日本人の胃がんの99%以上は、

ヘリコバクター・ピロリ菌

による慢性的な炎症が原因です。

ピロリ菌によって粘膜が薄くなる

「萎縮性胃炎」

が進むと、粘膜はボコボコと荒れ、修復力が低下します。

ここで重要になるのが、粘膜のバリア機能である

「タイトジャンクション」

です。

細胞同士を繋ぐこのファスナーが緩むと、本来なら守られるべき胃壁が胃酸や毒素にさらされ続け、がん化のリスクが高まります

がん化は「20〜30年」の積み重ね

脳のゴミが溜まるプロセスと同様、胃がんへの道も発症の20〜30年前から始まっています

若い頃からのピロリ菌除菌や、粘膜を保護する習慣がいかに大切かが分かります。

3. 安易な「PPI(胃酸抑制薬)」服用に潜むリスク

胃もたれを感じると、つい病院で処方されるPPI(タケプロン、ネキシウム等)を漫然と飲み続けてしまう方がいます。

しかし、

私はこの「長期服用」には慎重であるべきだと考えています。

○「その場しのぎ」の代償:

PPIは酸を抑えて症状を隠しますが、根本原因である「粘膜の弱さ」や「逆流の構造」は治しません。

○不消化とガスの発生:

強すぎる酸の抑制は、タンパク質の消化を妨げます。未消化物が腸へ行くと異常発酵が起き、お腹の張りやガスの原因となります。

○認知症リスクへの懸念:

近年のデータでは、PPIの長期使用が認知症の発症リスクと相関することが示唆されており、注意が必要です。

4. 胃を「がん」から守る最強の自衛策

では、どうすれば良いのか。薬で酸を消す前に、胃の「バリア」そのものを強くすることが本質的な解決策です。

○ビタミンDの「攻め」の摂取:

粘膜のファスナー(タイトジャンクション)を強固に締め直し、バリアを完治させるには、

1日4000IU(100μg)のビタミンD摂取

が医学的に非常に有効です

○オメガ3脂肪酸の抗炎症パワー:

胃粘膜の慢性的な「ボヤ(炎症)」を鎮めるために、青魚などの良質な油を積極的に摂りましょう。

○腹式呼吸(朝晩30回):

横隔膜を動かすことで胃と食道のバルブを鍛え、物理的に逆流や負担を防ぎます。

結論:胃もたれは「自分を知る」チャンス

「ただの胃もたれ」と「胃がん」を自分で見分けることは不可能です。

だからこそ、一度は内視鏡で

「自分の胃粘膜」

を確認してください。

ピロリ菌の有無や、萎縮の進行具合を知ることで、未来のがんリスクは劇的に下げられます。

お腹を整えることは、脳を守り、一生の健康を守ること。

その第一歩として、今日のあなたの食事と、朝晩の呼吸を少しだけ変えてみませんか?

では、今週も頑張っていきましょう!

3分でわかる!苦しくなく痛みに配慮した内視鏡検査(胃カメラ)の特徴
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この記事を書いた人

平島 徹朗 医師

平島 徹朗

医師

国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。

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