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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年05月11日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「早期大腸がんの大きさ」についてのお話です。
10年以上前までは、大腸ポリープは5㎜以上のものががん化しやすく
それ以下のものは切除せず、経過観察ということになっていました。
現在は、大腸ポリープが全くない「クリーンコロン Clean Colon」を目指すことで
がんの抑制効果が研究により認められているため、小さなポリープもすべて切除して、
5㎜未満の大腸ポリープでも積極的に切除することを推奨されています。
そして、それ以前から大腸ポリープががん化していくことはわかっています。
大腸ポリープを切除することで「大腸がんの予防」にもなります。
ポリープの種類にもよりますが、大腸ポリープを切除した方が良いということになります。
そして大腸がんになったとしても内視鏡治療できるものもあり、
早めに発見、早めに治療が原則となります。
当院で切除された小さな早期大腸がんと大きな早期大腸がんを提示します。
症例①も➁も、早期がんの中でも「粘膜内がん」いう転移の可能性がないもので
完全に内視鏡治療できれば完治となります。
症例①;6㎜の早期大腸がん(粘膜内がん)です。5分程度の内視鏡治療で完治でした。
「こんなに小さくてもがんなの?」と私も驚いてしまいました。小さなものでも積極的に切除することが大事になります。
症例➁;40㎜の早期大腸がんです。先ほどと比べるかなり大きな病変です。
内視鏡的にはもっと深くがんが入り込んでいると思われましたが
粘膜内がんであり、内視鏡治療で完治しました。
ただし、この程度の大きさになると当院では受けられない
内視鏡的粘膜下層剥離術が必要になり、大学病院で数日入院して行われました。
通常、この程度の大きさのものはがんが深く浸潤してしまうことが多く
がんではありましたが、患者さんとしてはラッキーだったと思います。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。