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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2024年11月24日
こんにちは。副院長の東です。
もうすぐ12月に入ります。気温もぐっと下がっています。
すでにインフルエンザに感染した方も出てきています。
冬は空気が乾燥しますので、加湿器での対策を始めましょう。
ピロリ菌除菌後
胃がんの原因として、ピロリ菌感染症は大きな要因です。
炎症による胃粘膜のダメージを最小限にするためには、早期除菌が必要です。
健診胃X線検査、人間ドック、胃がんABCリスク検診などでピロリ菌感染が疑われた方は、
まずしっかりと胃カメラ検査をうけることが必要です。
萎縮性胃炎の有無と程度、そして胃がんが現時点であるかどうかを確認する必要があります。
保険診療で1次除菌、失敗した方を対象に2次除菌まであります。
3次除菌に関しては自費になりますので注意が必要です。
抗生剤のペニシリンアレルギーの方は、いきなり3次除菌をする場合もあります。
大事な点は一つです。
ピロリ菌の除菌だけで将来胃がんにならないわけではありません。
ピロリ菌によって引き起こされた萎縮性胃炎は、除菌後であっても胃がんの発生しやすい粘膜です。
除菌によって活動性の炎症が収まると、リスクの軽減にはなりますがゼロにはならないのです。
一度薄くなった胃粘膜は決して元通りに治るわけではありません。
炎症によって遺伝子に傷がつき、それが原因で胃がんを生じる可能性が高くなってしまいます。
残念ながら、早期胃がんには特有の症状はありません。
定期的な胃カメラ検査で、早期発見をすることが一番重要です。
早期で発見できれば、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)と言われる内視鏡治療で完治が望めます。
ピロリ菌除菌後の方は1~1年半毎には胃カメラ検査を受けることをお勧めします。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。