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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年03月09日
こんにちは。副院長の東です。
先週はやはり雪が降りましたね。
降雪時間が短かったので雪が積もることはありませんでした。
春に向けてのスタートです。
胃X線検査とは?
職場での会場健診は通常、春と秋の2回行われることが多いと思います。
消化器系の検査としては、胃X線検査と便潜血検査があります。
便潜血検査は毎年行われることが多いですが、胃X線検査は35もしくは40歳以上から行われるようになります。
開始年齢が異なるのは、所属する健康保険組合の方針によるのであまり意味はありません。
胃X線検査、バリウムという液体を飲むので、バリウム検査とも呼ばれています。
バリウムは実は液体金属で、X線を通さない特徴があります。
コップに入ったバリウムは「重っ。」と感じた方もいるのでは??
X線検査は通常は胸部で行われることが多く、胸部つまり肺や心臓を主に撮影します。
空気が多い肺では、X線は肺を通過しやすくなり黒く写ります。
骨はX線を通さないので、白く写ります。
白黒の影絵の原理を利用しているのが、X線検査なのです。
胃X線検査では、食道、胃、十二指腸を観察しています。
バリウムはX線を通さないのでバリウムが残っている部分は白く写ります。
凹んでいる部分にはバリウムがたまるので、白。
隆起している部分はバリウムをはじくので、黒。
通過する部分はうっすらと表面にバリウムが残るので、薄い白。
バリウムの濃淡で臓器の形を映し出し、凹凸を診断していきます。
注意点は、胃は空気を含んでいないのでそのままでは、しぼんでいる状態です。
空気を入れて(発泡剤を内服して)、風船のように膨らませて観察しないと表面構造は写りません。
また、白黒写真なので、粘膜の色変化は捉えることが出来ません。
胃潰瘍や進行胃がん、食道がんの様な大きな病変は見つかりやすいと思います。
早期胃がん、早期食道がんは、わずかな陥凹と周囲との色調差で診断します。
胃内視鏡ではフルカラーハイビジョンで胃内部をビデオ撮影しています。
白黒写真とフルカラーハイビジョン動画
どちらが綺麗、鮮明、詳細であるかは言わずともお判りいただけると思います。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。