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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年05月11日
こんにちは。副院長の東です。
夏が近づいていると感じさせる陽気な週末です。
これからまだ梅雨の時期を迎えます。
気温差には注意していきましょう。
アルコール飲酒とがん
日常の嗜好品に関して、喫煙はがんとの関連が強いと知られています。
そして、アルコール飲用も然り。
米国からアルコール飲酒とがんの関係について論文が発表されました。
2000~21年で年齢調整死亡率(ASDR)は減少しています。
年齢調整死亡率は通常の死亡率を年齢構成の調整した指標で、異なる地域や年代を比較する時に使う手法です。
アルコールに起因するがんによる死亡については、死亡者数は2000年と比較して2021年は51%増加したことが明らかになりました。
そしてすべてのがん死亡の3.5%がアルコール起因であったこと。
がん種別のがん死亡率も明らかになり、肝臓がん(27%)、食道がん(24%)、大腸がん(16%)の順であった。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/apt.70163
その他のアルコールと関連のあるがんとしては、
乳がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がんが挙げられます。
やはりアルコール分解に伴うアセトアルデヒドが、DNAへのダメージを引き起こします。
酸化ストレス、ホルモンの変化によってもがんのリスクが高くなります。
アルコール性発がんに関わるトップ3のがん種がすべて消化器系のがんであったこと。
食道がん、大腸がんは内視鏡検査で早期発見できます。
肝臓がんは、アルコール性肝炎から肝硬変を介しての発がんですので、時間的な経過が必要です。
肝機能障害が出ているようであれば、アルコール摂取量を減らさなくてはいけません。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。