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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年05月22日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「この腹痛、受診が必要??」というお話です。
我々、消化器内科医がもっとも診るのが腹痛です。
日常診療でも救急外来でも診ることがあります。
では、腹痛で受診が必要な場合はどのようなときでしょうか?
【腹痛で「受診」が必要な場合】
以下の症状がある場合は、医療機関の受診を考慮しましょう。
📌受診の目安:
• 痛みが半日以上持続する 時間はそこまで重要ではないかもしれませんが
あまりにも長く続く場合は受診を考慮しましょう
• 徐々に痛みが強くなっていく ご本人がそれほど気にしない痛みであれば、そこまで気にしないでも良いのですが、
これはやばいかもと思うような痛みになった場合は早めに受診しましょう。
• 発熱(特に38度以上) 局所的な炎症であれば、発熱することはあまりないのですが炎症が強くなれば、
発熱を伴います。特に38度を超えるような場合は炎症も強いので注意が必要です。
• 吐き気・嘔吐を伴う 食事や水分がとれない 胃腸炎の場合は、よく起こる症状です。
水分をとっても嘔吐してしまうと脱水がひどくなり、さらに体調悪化につながるので注意しましょう。
• 排便・排ガスが出ない これは主に腸閉塞の症状です。
今までおなかの手術を受けている人は「癒着性イレウス」を起こしやすいので、
いつもよりひどい腹部膨満、腹痛、嘔吐がある場合は受診を考慮しましょう。
• 血便、黒色便が出る 一度きりのものであれば、様子を見てよいかもしれませんが、
何回も続く場合は注意が必要です。赤い鮮血便は下部消化管出血 おもに下部小腸や大腸が原因となります。
黒い便は上部消化管、おもに胃や十二指腸が原因となります。
• 反跳痛 (rebound tenderness) 自分ではなかなかわからないかもしれませんが、内臓の炎症が腹壁に波及した際に見られます。
腹壁を徐々に圧迫し、しばらくして急に手を離すと病変部に疼痛が出現することを反跳痛と言います。
• 筋性防御 (muscular defense) 腹膜炎では腹壁の緊張が高まって腹壁を手で圧迫すると板のように堅く感じる。
それを筋性防御と言います。かなり痛いので自分で触ってわかるのは難しいかもしれません。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。