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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年05月29日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、消化器内科ではよく見る「急性虫垂炎」のお話です。
虫垂炎は、よく盲腸と言われますが盲腸というのは大腸の一部で
その先端に伸びているのが虫垂です。
右下腹部にある臓器です。
代表的な症状としては、右下腹部の痛み(McBurney点)、吐き気・嘔吐、発熱(軽度〜中等度)です。
未治療の場合、虫垂の壊死→穿孔→腹膜炎に進行することがあるため、早期診断と治療が重要です。
生涯罹患率(生涯に虫垂炎になる人)
• 男性:約 8〜9%
• 女性:約 6〜7%
→ 全体として、生涯で約 7% 程度の人が虫垂炎を経験するとされています。
手術の確率・治療法
治療法
1. 外科的手術(虫垂切除術)おなかを切る手術
2. 保存的治療(抗菌薬による治療)
→保存的治療は、軽症であれば適応されることがあるが、
1年以内に再発リスクあり(約20〜30%)
手術の確率(手術になる割合)
• 現在では、診断された虫垂炎の 約80〜90% は手術で治療される。
• 残りは抗菌薬での保存的治療となる場合もある(特に小児や軽症例)。
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どのような治療が選択される??
若年・健康な成人→手術が一般的(再発リスクがない)
軽症・高齢・手術リスク高→抗菌薬治療の選択肢あり
穿孔・膿瘍・高度炎症→手術が第一選択
患者が再発の不安を避けたい場合→手術
患者が手術を回避したい場合→抗菌薬も合理的な選択肢
みなさんも右下腹部痛がある場合は、虫垂炎かもしれません。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。