MENU
閉じる
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年06月12日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、時々見かける疾患の「十二指腸腺腫」のお話です。
十二指腸のがんは非常にまれな疾患です。
十二指腸には良性の腺腫という病変があり、
これが十二指腸がんの前がん病変といわれています。
十二指腸腺腫は、1か月に1,2件はみられます。
十二指腸腺腫から十二指腸がんになるリスクはわかっていません。
欧米ではすべて切除するべきとなっていますが、日本では
「内視鏡治療を行うことを弱く推奨する」となっています。
では、十二指腸がんと診断されたらどうしたら良いのでしょうか?
10㎜以上のものは基本的に切除、10㎜以下のものでは経過観察もしくは切除です。
10㎜以下のものは、
➀がんになる可能性は低いかもしれないが、今後大きくなることもあり得る
小さいものの方が内視鏡治療が簡単で有害事象の確率は低いことから
何十年もフォローして、がんのリスクを考えながら生活するくらいなら
切除しても良いのではないか?? という意見もあります。
②また、がんになる可能性が低いなら経過観察で良いのではないか?という意見もあります。
ただし、腫瘍の一部を採取して良性の「腺腫」と診断されても
内視鏡治療で全体を切除したらがんだったということもあります。
内視鏡治療は総合病院や大学病院で行われます。
最終的に治療をするかしないかは、専門医との相談によって決めていただきます。
@当初は「腺腫」と診断されたが、内視鏡治療後に十二指腸がんと診断された病変
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。