MENU
閉じる
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年08月03日
こんにちは。副院長の東です。
夏の暑さが続いています。
熱中症で搬送されているニュースも目にします。
室内の温度調節、こまめな水分補給を欠かさないようにしてください。
夏の水分補給
脱水予防のために普段からこまめな水分補給が大切です。
マイボトル、ペットボトル、何でもよいので小口で分けて飲めるものがあると便利です。
夏は特に気温が高いので、不感蒸泄量が多くなります。
のどが渇いたと思うタイミングは、すでに遅いと考えてください。
食事量にもよりますが、最低でも1.5~2L程の水分補給を考えましょう。
どんな水分が良いかというのは重要です。
ミネラルウォーター、麦茶、カフェインを含まないお茶であれば問題ありません。
最近は経口補水液(大塚製薬のOS-1)が主流になりつつありますね。
スポーツドリンクとの違いは気になるところですよね。
同じ大塚製薬のポカリスウェットとどのように違うのか知っておくとよいでしょう。
OS-1の方が電解質(ナトリウムやカリウム)が多く、糖分が少ないのが特徴です。
塩分に関して、500mlで考えるとOS-1は1.5gのナトリウム、ポカリスウェットは0.6gです。
そして浸透圧が異なります。
浸透圧とは、濃度が異なる水が隣り合うときに、濃度を一定に保とうとして水分子が移動する力のことです。
分かりやすく一言でいうと、水を引き込む力です。
✓ OS-1:約260mOsm/L(低張性)
✓ ポカリスエット:約320mOsm/L(等張性)
野菜を水に漬けると、水に漬ける前よりも水を吸ってシャキシャキになっていきますよね?
細胞も同じように水分を吸収して水分を細胞内に引き寄せます。
これが脱水改善、予防につながる訳です。
どの様にして飲み分けたら良いか?
日常的な水分補給や軽い発汗時は、ポカリスエットで十分です。
OS-1はいわゆる脱水症状があるときに使います。
個人的には、スポーツの前に行うウォーターローディングにもOS-1は良いと思います。
しっかりと細胞内に水分を蓄えておくイメージですね。
脱水状態のときは、OS-1をおいしいと感じることが多くなります。
逆に健康なときはしょっぱい、まずいと感じます。
体内の電解質量によって味覚が変わるのです!
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。