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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年09月17日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、当院の患者さんで最も多い便秘に関してです。
便秘は、
「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便、排便回数の減少や、
糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責、残便感、直腸肛門の閉塞感、
排便困難感を認める状態(下線部が排便回数減少型に該当)」
と定義されています。
慢性便秘症は、
「慢性的に続く便秘のために日常生活に支障をきたしたり、
身体にも種々の支障をきたしうる病態」
と定義されています。
みなさんが感じる「便秘」の状態であっても、日常生活に支障がない場合では治療適応にならないこともあります。
「毎日排便があって、便の形はバナナみたいなもの」が理想となっていますが、
それを追い求めてたくさんのサプリや下剤を
飲んでいる方が多くいます。
またそのような方の理想を叶えようと、
最初から刺激が強い便秘薬(市販薬、処方薬)を勧めてしまう薬剤師や医師もいます。
ガイドラインでの基本的な治療の流れは
①生活習慣の改善
②浸透圧性下剤
③上皮機能変容薬または胆汁酸トランスポーター阻害薬」
プロバイオティクス、膨張性下剤や消化管運動機能改善薬や漢方薬」は代替・補助治療薬
刺激性下剤、坐剤、浣腸はオンデマンド治療であり、常用は勧められていません。
刺激性ではない薬をまずはお勧めします。
また食事に関しては、
地中海食が便秘には有効であるとされています。
野菜、果物、豆類、レンズ豆、全粒穀物、ナッツ類、種子、オリーブ油、ハーブ、スパイスを多く摂取し、
乳製品、魚、鶏肉は週に数回の摂取にとどめる一方で、赤肉や加工肉の摂取は控えめにする食事法だそうです。
なかなか難しそうですが、一度試してみてください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。