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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年09月21日
こんにちは。副院長の東です。
涼しくなってきたと思いましたが、週末はまだ夏を感じる暑さでした。
温度差が出てきます。急に寒くなっても羽織るものがあると良いですね。
秋の準備は出来ていますか?
夏の消化管機能
今年の夏は例年よりも暑かった気がします。
朝の時点で30度を超えていたり、夜になっても30度以上の日が多かったですね。
日中の気温も40度近くになり、熱中症で体調不良になる方も多かったのではないでしょうか?
消化器にとって夏は消化機能を維持するのが難しい季節です。
気温が高いので、必然的に冷たい飲み物、冷たい食べ物を多く摂ることになります。
身体の冷えが体調不良につながるのと同様に、消化管の冷えも消化機能の低下に直結します。
消化吸収が上手くいかなくなり、便秘したり下痢したりすることが多くなります。
汗をかくことで、水分、電解質(ミネラル)が失われますので、
バランスが崩れ体内でいつも通りの恒常性を保つのが難しくなります。
炎天下のスポーツなどによる急激な喪失で筋肉は痙攣し、頭痛、寒気、嘔気を主とする熱中症が起こります。
汗や不感蒸泄により体内で水分が慢性的に不足すると、体は水分を保持しようとします。
消化管では、大腸の水分吸収が増え、腎臓では尿を濃縮します。
硬い便や濃い尿はその結果なのです。
便秘がちの方は、夏場に便秘着がひどくなる人も多いと思います。
便秘の治療で一番大事な事は、水分コントロール。
水分摂取はとても大切な事ですが、人によってはたくさん水分摂ると尿が増えるだけのこともあります。
水溶性食物繊維を摂り、便を潤すイメージが大切です。
薬物治療はやはり酸化マグネシウムを中心とした、便の水分量コントロールになります。
新規便秘薬として、アミティーザ、リンゼス、グーフィスがありますが、
いずれの薬剤も作用機序は違えど、水分量のコントロールで自然の排便を促す治療です。
酸化マグネシウムでも新規薬剤のどちらでも構いません。
違いは、1日3回が基本の酸化マグネシウム、1日1回の新規薬剤でしょうか。
量の調整がしやすい、安価であることも酸化マグネシウムの特徴です。
柔らかくしても便が出ない場合、その時に刺激性の便秘薬を使用していきます。
センナ、ピコスルファート、漢方薬、アロエなどが該当します。
ライフスタイルによって最適な薬剤を選択するのがよいでしょう。
食事内容、生活習慣、薬物療法のバランスが重要です。
秋に向けて、スポーツの秋、食欲の秋、楽しんでいきましょう!
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。