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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2025年11月30日
こんにちは。副院長の東です。
師走に入ります。2025年もあと少しです。
インフルエンザが猛威を振るっています。
以前のように手洗いうがいを励行しましょう。
PPIのOTC化

このタイトルで反応出来た方は、逆流性食道炎に悩んでいる方だと思います。
PPIは「Proton Pump Inhibitor(プロトンポンプ阻害薬)」の略称です。
胃粘膜の壁細胞というところに胃酸分泌を行うプロトンポンプがあります。
このプロトンポンプを抑えることで、胃酸分泌を強力に抑えられます。
PPIは胃内のプロトンポンプを阻害することで胃酸分泌を抑える薬剤です。
消化性潰瘍や逆流性食道炎などによる胃痛や胸やけ症状を改善するときに処方します。
現在、4種類のPPIが処方できるのですが、
✓ オメプラゾール、エソメプラゾール
✓ ランソプラゾール
✓ ラベプラゾール
の3種類に分類されます。
エソメプラゾールは、オメプラゾールの光学異性体といって、構造を変化させて効果を安定させた薬剤なのです。
親戚みたいなものですね。
エソメプラゾールは構造式がS-オメプラゾールのことで、
エスオメプラゾール→エソメプラゾールとなりました(なるほど!)。
2025年6月に、パリエットSがOTC(一般用医薬品)として発売されました。
OTCという事は、薬局で購入する事が出来るようになったという事です。
セルフメディケーション推進政策の観点からも、外国ではPPIがOTC化されているので当然の流れです。
2025年8月にはオメプラールS、タケプロンSも発売となり、3種類のPPIがすべてOTC化されたことになります。
OTC薬は、医薬品と同じ成分を含んでいますので、PPIのOTCは販売時に薬剤師による説明を必要とする要指導医薬品に該当します。
主な注意点は、OTC薬は2週間を超えて服用しないことが明記されている点です。
OTC→医薬品で表示します。
オメプラールS 10mg→オメプラゾール(10mg、20mg)
タケプロンS 15mg→ランソプラゾール(15mg、30mg)
パリエットS 10mg→ラベプラゾール(10mg、20mg)
消化器内科専門医の観点から考えてみます。
OTC薬3剤ともに効能効果は胃痛,胸やけ,もたれです。
通院歴のない方が薬剤師の相談のうえで内服を開始できるようになり利便性が向上しました。
以前医薬品のPPIを使っていてたが薬がなくなり、医療機関を受診する時間がないので購入することもあるでしょう。
このなかで、パリエットSのみが、医薬品として私たちが処方する量と同じ量なのです。
オメプラールSとタケプロンSは、半量となっている点に気を付けましょう。
参考までに、上記医薬品でアンダーラインをしている量が、私たちが処方する常用量です。
2週間以上内服が必要な場合は必ず消化器内科を受診してください。
何か病気が隠れているリスクが否定できないのです。
実は胃がん、食道がんがあって逆流症状が出ていた・・・。これが私たちが一番恐れる事です。
1-2年に一度定期的に胃内視鏡検査をしていれば、進行がんのリスクはかなり低くなると思います(ゼロではありません)。
症状が続く方、悩んでいる方は、ぜひ相談してください。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。