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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ

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わずか5分の胃カメラでわかる病気

2025年12月31日

  • 副院長ブログ

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。

今回は、「わずか5分の胃カメラでわかる病気」というお話です。

多くの方が「胃カメラ=胃だけを見る検査」と思われるかもしれません。

しかし実際には、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)では、食道・胃・十二指腸までを直接観察することができます。そのため、胃の病気だけでなく、食道や十二指腸のさまざまな疾患を早期に発見することが可能です。

特に重要なのが、がんなどの悪性腫瘍の早期発見です。

胃がんや食道がんは比較的知られていますが、それ以外にも「胃マルトリンパ腫」という悪性腫瘍を発見できる場合があります。これは胃のリンパ組織から発生するがんで、早期に見つかれば内科的治療で治癒が期待できることもあります。

また、胃カメラは悪性疾患だけでなく、日常診療でよくみられる良性疾患の診断にも非常に有用です。自覚症状が軽くても、検査を受けることで原因がはっきりし、適切な治療につながることがあります。

ここからは、胃カメラで発見できる代表的な病気について、簡単に説明します。

【悪性疾患】

・胃がん

胃の粘膜から発生するがんで、早期には症状がほとんどありません。胃カメラにより早期発見が可能です。早期に発見できれば侵襲の少ない内視鏡治療も可能です。

@早期胃がん

・食道がん

飲酒や喫煙と関連が深い病気です。早期では自覚症状が乏しいため、内視鏡検査が重要です。かなり早期に発見しないとリンパ節転移を起こしやすいです。こちらも早期に発見できれば、内視鏡治療も可能です。

・胃マルトリンパ腫

胃のリンパ組織から発生する悪性腫瘍で、慢性胃炎との関連が指摘されています。胃カメラと組織検査で診断されます。ピロリ菌感染とも関係しており、除菌することで治癒することがあります。

【良性疾患】

・食道ポリープ

食道の粘膜にできる隆起性病変で、多くは良性ですが、形状によっては経過観察が必要です。多くの場合は、乳頭腫というタイプでがん化のリスクはほぼありません。

・逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流することで起こる炎症です。食道粘膜の軽いやけどのようなものです。胃酸逆流が多く、頻度が多いと胸やけや喉の違和感の原因となることもあります。

・胃ポリープ

胃の粘膜にできる隆起で、多くは良性ですが、種類によっては切除や定期的な観察が必要です。代表的なものは胃底腺ポリープや過形成ポリープです。隆起型の胃がんと鑑別が必要なものもあり、注意が必要です。

 

・胃潰瘍

胃の粘膜が深くえぐれた状態で、痛みや出血を起こすことがあります。多くはヘリコバクターピロリ菌、痛み止めが原因です。

・胃アニサキス症

生魚に含まれる寄生虫が胃壁に入り込み、激しい腹痛を引き起こします。胃カメラで除去可能です。

@胃アニサキス 鉗子で除去して治療完了

・胃粘膜下腫瘍

胃の粘膜の下にできる腫瘍で、多くは良性ですが、性質を見極めるための評価が必要です。GISTやカルチノイドは治療が必要となります。

・十二指腸潰瘍

十二指腸の粘膜にできる潰瘍で、空腹時の腹痛が特徴です。ピロリ菌感染が原因となります。

・十二指腸腺腫

十二指腸にできる良性腫瘍ですが、将来的ながん化を考慮し、治療や経過観察が行われます。内視鏡治療をしてみたら、がんだったということもあります。

@生検では十二指腸腺腫と診断されたが、内視鏡治療後に十二指腸がんと判明した病変

【まとめ】

胃カメラは、食道や十二指腸も観察でき、悪性疾患も良性疾患も発見可能です。

胃カメラは「つらい検査」というイメージを持たれがちですが、現在は苦痛を軽減する工夫も進んでいます。

症状がある方はもちろん、症状がなくても病変がある場合は、定期的な検査が大切です。

ご自身の健康を守るために、ぜひ胃カメラ検査を前向きに考えてみてください。

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この記事を書いた人

この記事を書いた人

久津川 誠

医師

国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。

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