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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年01月07日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「大腸がんは転移さえしなければ治りやすい?」というお話です。
最近、有名人の方も多く罹患されているので注目されている大腸がん。
・日本では年間15万人以上が大腸がんと診断され(がん罹患全体の15.6%)、最も多いがんである。
・日本人が一生のうちに大腸がんと診断される確率は、男性10.3%、女性8.1%である。
・日本では年間5万3千人以上が大腸がんで死亡しており(がん死亡全体の13.8%)、肺がんに次いで2番目に多い。また女性では最も割合が高いがんである。
死亡数が多い大腸がんですが、
そんなに進行しやすく、治りにくく、死亡しやすい病気なのでしょうか?
大腸がん早期と診断され、転移がなければ5年生存率は
約93%となっています。
しかし、リンパ節転移陽性になってくると80-90%に少し低下していきます。
@リンパ節転移のない早期大腸がん

これが進行がんになってくると、がんが深くなればなるほど、リンパ節転移のガスが多ければ多いほど、他臓器転移していればしているほど5年生存率は低下してきて
他臓器転移している場合は、5年生存率が20%近くまで低下してしまします。
@転移しやすい進行大腸がん

他のがんもそうですが、大腸がんも「早期に発見すれば治りやすい病気」なのです。
みなさんが「がんになったら死んじゃうんじゃないか?」と想像されるような
前立腺がんや甲状腺がん、乳がん、子宮がん、胃がん、卵巣がんなども
早期で転移していないものは5年生存率が90%を超えています。
アメリカでは検診体制の充実により、大腸がんの死亡数は低下しています。
日本では増えています。
なぜでしょう?
➀大腸がん検診の「受診率」が十分高くない(半分に届かない)
厚労省「2022年 国民生活基礎調査の概況」では、40~69歳で過去1年間に大腸がん検診を受けた割合が
男性 46.4%
女性 42.8% という水準です。
早期発見の入口(受診)に、まず大きな目減りがあります。
②「要精検→精密検査(大腸内視鏡など)」の“つながり”が弱い
便潜血などで要精検になっても、精密検査を受けない/追跡できないと、
早期発見の効果は消えます。
大腸がん検診の精検受診率が約70%とされています。
約30%が「受けていない」状態になります。
③「職域健診・人間ドック」なども含め、把握と精度管理が一枚岩になりにくい
がん情報サービスは、国の対策として精度管理の仕組み整備が明示されているのは
主に住民検診で、それ以外(職域など)は死亡率減少に結びつける精度管理の仕組みが
整備されていません。
今後のがん検診では、すべて国が管理できるようなシステムや全対象が受けやすいシステムの導入が必要になるでしょう。
現行のシステムで大腸がんに対してみなさんができることは、
➀大腸内視鏡検査を受ける
②健康診断で便潜血検査を受ける
早期発見、早期治療で大腸がんで亡くなるリスクを減らしましょう。
みなさん、大腸がんに関心をもって自身や家族、友人を大腸がんから
守りましょう。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。