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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年02月08日
こんにちは。副院長の東です。
前回、雪の話を書いたら土曜日から雪が降りました(笑)。
首都圏でも雪が積もっていますね。
足元に気を付けて、転倒含めてけがをしないようにして下さい。
PPI長期使用と胃がんリスクの関連

胃薬として真っ先に挙げられるのが、胃酸分泌抑制薬です。
その中でもプロトンポンプ阻害薬(PPI)は代表的な薬剤です。
一昔前の主流だったヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、最新のカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)も効果の強さが違えど同じ部類の薬剤です。
胃酸過多による症状である、胃痛、胃酸逆流に対してよく使われます。
出来るだけ長く使わない様にすることが多いですが、中には薬をやめてしまうと症状が再燃する方もいます。
長期処方に関しては、胃がん発生を増やすとか、認知症が増えるとか言われていますが、
増やさないという報告もあり、現時点では賛否両論であると思います。
今回、北欧からPPI長期使用と胃がんリスクの関連についての報告がありました。
研究の主たる目的は、PPIの長期使用が胃腺がんのリスク増加と関連しているかどうかを明らかにすることでした。
1994年から2000年の間、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧5カ国におけるデータです。
対象は非噴門部胃腺がんで、適応症による交絡で避けるために、胃食道逆流症に関連する噴門部胃腺がんは除外されてます。
結果は、1万7,232例の非噴門部胃腺がん症例と17万2,297例の対照例でした。
長期のPPI使用は、がん症例1766例(10.2%)、対照1万6,312例(9.5%)で認めていました。
そして、長期のPPI使用と胃腺がんとの間に関連は認められませんでした(調整オッズ比1.01、95%信頼区間0.96-1.07)。
同時に検討された、H2RAの使用についても同様の結果でした(調整オッズ比1.03、0.86-1.23)。
結論として、長期のPPI使用は、胃腺がんのリスク増加と関連していない可能性があるとしています。
https://www.bmj.com/content/392/bmj-2025-086384.long
1つの結果として、PPIの長期使用が胃腺がんの発生を増やすことはないことが分かりました。
H2RAも同じ結果であり、検討されていませんが、おそらくP-CABも同じ結果になる可能性があると思います。
とはいえ、胃酸を抑えすぎると胃ぜん動運動低下をきたします。
出来るだけ、症状がない時は内服しない様に注意してみましょう。
何らかの症状があれば、速やかに内服開始してみて下さい。
症状が改善しなければ、何か別の要因が隠れていますので、医療機関を受診しましょう。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。