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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年03月12日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です
今回は、「消化器内科で遭遇する患者さんの思い込み」というお話です。
消化器内科で日々診療をしていると、「間違った思い込み」によって
受診や検査のタイミングが遅れてしまう患者さんを少なからず見かけます。
多くの場合、症状そのものはありふれたものです。
胃の不調、便に血が混じる、便潜血検査の異常など。
しかし、「きっと大したことはない」「よくあることだろう」と自己判断してしまうことで、
本来もう少し早く見つけられたはずの病気が進行してしまうことがあります。
例えば、胃の調子が悪く、食欲が落ちてきたという患者さんがいました。
最初は「ストレスで胃が弱っているのだろう」と考え、市販の胃薬で様子を見ていたそうです。
しかし症状が続いたため消化器内科で胃カメラやCT検査をすると、
実際には「膵がん」が見つかったというケースがあります。
膵臓は胃の近くにある臓器のため、膵臓の病気でも胃の不調として感じられることがあります。
また、「最近ずっと胃の調子が悪い。仕事のストレスだと思う」という患者さんが来院されました。
胃カメラを行ったところ、スキルス胃がんが見つかったこともありました。
胃の不快感や食欲低下は、ストレスでも起こり得る症状です。
しかし同時に、重大な病気のサインである可能性もゼロではありません。
症状が長く続く場合は、やはり一度きちんと調べておくことが大切です。
@発見されたスキルス胃がん

健康診断の便潜血検査についても、誤解されていることがよくあります。
便潜血陽性の結果が出ても、「月経の影響だと思う」「痔があるからだろう」と自己判断して大腸内視鏡検査を受けない方がいます。
実際に、そうして数年後に受診された患者さんで、大きな大腸ポリープが見つかった、大腸がんがみつかったがありました。
ポリープの段階で見つかれば、内視鏡で切除するだけで済むことが多いのですが、見つかるのが遅れると治療が大がかりになる可能性があります。
@便潜血陽性で見つかった巨大ポリープ

また、「トイレットペーパーに血がつくから痔だと思う」という患者さんも来院されます。
確かに、肛門からの出血の原因として痔はとても多い病気です。しかし、同じような症状で進行直腸がんが見つかることもあります。
実際に、長い間痔だと思って放置していたところ、検査で進行した直腸がんが見つかったというケースもあります。
「すべての症状ががんである」ということではありません。
多くの場合は、胃炎や機能性ディスペプシア、痔などの比較的よくある病気です。ただし、症状だけで完全に区別することは難しいのも事実です。
消化器の病気は、内視鏡検査や画像検査など、適切な検査を行うことで早期に見つけられるものが少なくありません。
そして早期に発見できれば、体への負担が少ない治療で済む可能性が高くなります。
もし、胃の不調や腹部症状、出血などの症状が続いている場合、
「そのうち良くなるだろう」と我慢せず、一度専門医に相談してみてください。
適切な検査を受けることで、病気を早く見つけることができるかもしれません。
少し勇気を出して受診することが、将来の安心につながることも多いのです。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。