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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年03月20日

咽頭がんや喉頭がんは、いずれものどに発生する悪性腫瘍であり、
日本においては決して稀な病気ではありません。
これらは頭頸部がんの一部に分類され、近年は高齢化や生活習慣の影響により、罹患数は緩やかに増加傾向にあります。
特に喫煙や飲酒との関連が強く、両者を併用することで発症リスクはさらに高まることが知られています。
罹患率としては胃がんや大腸がんほど高くはないものの、発見が遅れると進行しやすく、死亡率にも影響を及ぼします。
一方で、早期に発見された場合は治療成績が良好で、機能を温存できる可能性も高まります。そのため、リスク因子を持つ方や症状のある方は、早期の受診と適切な検査が重要です。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、主に食道・胃・十二指腸を観察するための検査です。
実は検査の際に咽頭(いんとう)や喉頭(こうとう)の一部を観察できる可能性があります。
内視鏡が口から挿入される際に、のどを通過するため、その過程で咽頭や喉頭の粘膜の状態を確認できます。
特に鎮静剤を使用した場合、いわゆる「えづき(咽頭反射)」が抑えられるため、
よりスムーズに内視鏡が通過し、結果として咽頭や喉頭周囲の観察がしやすくなります。
これにより、咽頭がん、喉頭がん、咽頭ポリープ、声帯ポリープといった病変が偶然見つかることもあります。
実際、消化器内視鏡検査がきっかけで早期の病変が発見されるケースも少なくありません。
しかし、すべての患者さんで十分な観察が可能というわけではありません。
鎮静剤を使用しても反射が強く残る方や、肥満体型により気道の確保が難しい方(内視鏡で観察できる範囲が狭い)、また呼吸が浅く声帯の蓋(喉頭蓋)が閉じ気味の状態にある方などでは、視野が制限され、詳細な観察が困難となる場合があります。
そのため、胃カメラはあくまで「通過時に見える範囲での観察」であり、のどの専門的な検査とは異なる点をご理解いただく必要があります。
もし、声のかすれ、のどの違和感、飲み込みづらさ、長引く咳などの症状がある場合には、
まず耳鼻咽喉科での精査を受けることをおすすめします。
耳鼻科では専用のスコープを用いて、より詳細かつ確実に咽頭・喉頭の評価が可能です。
そのうえで食道などに異常が疑われる場合や、消化管の病変も含めて総合的に確認したい場合には、
当院での胃カメラ検査をご検討ください。
また、生活習慣も重要なポイントです。
飲酒や喫煙は、咽頭がん・喉頭がんだけでなく、食道がんのリスクを高めることが知られています。
これらの習慣がある方は、自覚症状がなくても定期的なチェックを受けることが大切です。
耳鼻科での検査と消化器内科での内視鏡検査を適切に組み合わせることで、より早期の発見・治療につながります。
@咽頭がん 早期発見

胃カメラは「胃の検査」というイメージが強いかもしれませんが、実はのどの健康状態を知る手がかりにもなり得ます。
検査の目的や限界を正しく理解し、ご自身の症状やリスクに応じて適切な医療機関を選択することが、安心につながります。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。