MENU
閉じる
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年03月25日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、便潜血が「陰性」なら大腸がんは大丈夫?というお話です。
「検診の結果、便潜血は陰性だったから自分は大丈夫」
外来でよく聞きます。
確かに、便潜血検査は大腸がん検診として非常に優秀です。
簡単で体への負担も少なく、定期的な受診によって大腸がんによる死亡リスクを下げることが証明されています。
しかし、大切なポイントがあります。
それは、「便潜血が陰性=大腸がんが100%ない」とは言い切れないということです。
➀なぜ「陰性」でもがんが隠れていることがあるのか?
便潜血検査は、がんやポリープから発生する「微量な出血」を検知する仕組みです。
そのため、以下のようなケースでは「偽陰性(見逃し)」が起こる可能性があります。
* 出血していない病変: 全てのがんが常に血を出しているわけではありません。
* 右側結腸の病変: 大腸の奥(上行結腸など)にあるがんは便と混ざりにくく、検査で拾われにくい傾向があります。
「陰性だから安心」という思い込みが、早期発見のチャンスを遠ざけてしまうリスクがあるのです。
@便潜血陰性の進行大腸がん(盲腸にあり)

②便潜血が陰性でも「大腸カメラ」を検討すべき3つのケース
検査結果が陰性であっても、以下に当てはまる方は精密検査(大腸内視鏡検査)を検討してください。
親や兄弟姉妹に大腸がんを経験した方がいる場合、統計的にリスクが高くなります。
@30歳代の進行大腸がん 便潜血陽性(父親が大腸がん)

最近になって以下のような変化はありませんか?
* 便秘と下痢を繰り返す
* 便が細くなった
* お腹が張る、残便感がある
「トイレットペーパーに血が付く」「便に血が混じる」といった症状は、たとえ便潜血検査が陰性であっても、決して見過ごしてはいけないサインです。
最も確実なのは「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」
便潜血検査はあくまで「スクリーニング(ふるいわけ)」です。
対して、大腸カメラは粘膜を直接観察できるため、極めて小さなポリープや早期がんも発見できます。
また、検査中に見つかったポリープをその場で切除し、将来のがんを予防することも可能です。
「少しハードルが高い」と感じるかもしれませんが、将来の健康を守るための最も有効な手段といえます。
まとめ:
便潜血検査は優れた検査ですが、万能ではありません。
* 「陰性」は「現時点で出血がない」ことを示すもの
→便潜血検査は2回法が基本、毎年することで見逃しが減る
* 違和感やリスクがあるなら、検査結果を過信しない
早期発見・早期治療こそが、健康を守る一番の近道です。
気になる症状がある方は、一度お気軽に医師へご相談ください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。