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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年03月28日
こんにちは。副院長の東です。
3月も最終週に入りました。
國學院大學グラウンド沿いの桜も8割程度咲いています。
この週末の暖かさで満開になるのではないかと思います!
逆流性食道炎治療の難しさ

何らかの胃酸逆流を疑う症状があれば、1年以内に内視鏡検査を受けていなければ、やはり検査を受けることをお勧めしています。
内視鏡検査を受けて食道胃接合部に発赤の所見があるとき逆流性食道炎と診断するのですが、
症状がある時でも、内視鏡で逆流性食道炎と診断できる方は40%程度です。
つまり残りの60%は、内視鏡上では発赤なし、しかし症状ありの方なのです。
これが非びらん性胃食道逆流症という状態です。
胃酸逆流症状による症状の不快感さは、QOLを下げると多数の報告があります。
食道と近い心臓と、症状を区別する事がとても大切になりますが、
狭心症や心筋梗塞といった心疾患と同等レベルのQOL低下があるとされています。
胃酸逆流による症状は、良性疾患とはいえ侮れないのです。
胃酸逆流症状があり他院で逆流性食道炎と診断され、なかなか良くならないという事で受診される方がいます。
内視鏡の所見を持参されることも多いので、見てみるとやはりしっかりと逆流性食道炎の所見があります。
そして処方された薬をみても、しかkりPPIやP-CABを処方されてます。
それなのに、なぜ逆流症状は良くならないのか?
お薬手帳を見てみると、ほとんどのケースが1年以上漫然と同じ薬が処方されていることが見受けられます。
ずっと同じ薬が出ていますね??
患者さんに聞いてみると、たいていその答えは「ずっと内服してください。」といわれているからと。
何か先生から食事とか理学療法とかの指導はありましたか??
「何も言われていません・・・。」
症状がなくなっているのに、薬を2年以上処方されていたケースもありました。
今は症状がないのに薬をずっと内服していますよね??
「先生が同じ薬を出しておきますねと、ずっと処方するので。」
「内服を止めてよいタイミングが分からなかった。」
これは、逆流性食道炎の治療において、あるあるなのです。
消化器内視鏡専門医、消化器病専門医と呼ばれる専門医を標榜するクリニックを受診していても起こり得ます。
逆流性食道炎=胃酸分泌抑制薬と考えるドクターが多いと思います。
もちろん、胃酸分泌抑制薬はとても重要です。
内服すれば症状を劇的に改善する事も良く経験します。
ですが、やはり大事なのは食事療法と理学療法なのです。
✓ 食事量をコントロールする事(7~8割に減らす)
✓ 刺激物を摂り過ぎない事(辛い、酸っぱい、しょっぱい、甘い)
✓ 油濃いものを摂り過ぎない事
✓ アルコールを飲み過ぎない事
✓ 夜食べた後にすぐに横にならない事
外来でいつもご説明していますが、
逆流症状を感じたとき、それは自分の生活習慣を見直す時です。
薬を内服する時ではありません。
原因を改善しなければ、必ず症状は繰り返していきます。
原因を改善してもなお症状が残る場合に内服をしてくださいとお話しています。
そして同じ薬をずっと内服続けていれば、効果はなくなっていきます。
長期内服により胃ぜん動運動が低下すると考えられているからです。
限られた外来診療の時間の中ですが、
出来るだけ話を傾聴し、原因を一緒に探し出すように心がけています。
それでも、難治性逆流性食道炎の方もいます。
その場合は症状と胃酸逆流が本当に関連しているかどうか、pHモニタリングやインピーダンス検査で調べる必要があります。
逆流性食道炎を専門としている大学病院への紹介が必要になることもありますのでご相談下さい。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。