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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年06月14日
おはようございます、平島です。
本格的に梅雨に入り、曇った日が続き、ジメジメした嫌な季節になってきました。雨の日は朝ランができないことが多く、1日を快適にスタートできないことが気持ち的にありますが、その際はストレッチやバイク漕ぎなどをして過ごしています。
トライアスロンの中で一番練習がしにくいのが
バイク
です。
どうしても、長距離走らなくてはいけないのと、通常の道路ですと、事故などのリスクがあるため、河川敷までいかないといけないというのもあり、どうしても練習から遠ざかってしまいます。
いつも
「練習しないと」
という気持ちだけはあるのですが、レース前に少し外でバイク練習をするだけで終わってしまい、いつもレースのバイクで苦しい思いをするということを繰り返してしまっています。
今回は家の中で練習できる
ローラー台
を導入したので、こま目に練習していこうかと考えています。
先日、
アニサキス症
についてテレビ朝日から取材がありました。
アニサキス症の内視鏡治療についての取材でした。内視鏡で治療している動画も
「内視鏡チャンネル」
から提供させてもらいました。
テレビ朝日のYouTubeに動画アップされていますので、是非ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=bU_70oDSsUw
アニサキス症の報告数を厚生労働省が発表していますが、
2011年 34件
2012年 65件
2013年 88件
2014年 79件
2015年 127件
2016年 124件
2017年 230件
2018年 469件
2019年 338件
2020年 396件
2021年 354件
と
報告数は確かに増えていますが、実際に本当にアニサキス症自体が増えているのでしょうか?
結論は
微増はしているけども急増はしていない
と考えています。
というのも、
レセプト
いわゆる
診療報酬明細書
という
保険者への請求書ベースで
アニサキス
という病名を調べると
毎年7000件
ぐらいのカウントがあるそうです。
増えたり減ったりしながらあまり数が変わらないようです。
厚生労働省への報告数
300〜400件
と
実際の病名ベースの報告数
7000件前後
と比較するとあまりに数値の乖離が大きいですね。
これは、実際に保健所へ報告している医療機関がほとんどないということに起因しています。
アニサキスと診断した医療機関は
24時間以内にもとよりの保健所に届けなければいけない
というルールがありますが、以前は今ほど届け出るという認識がほとんど浸透していなかったのだと思います。
最近になって、アニサキスが出たら届けないと行けないという認識が医療機関に広がったために
届出数
が増加して、それでアニサキス症が増えているというイメージにつながっているのだと推察されています。
実際のレセプト上のアニサキス数が激増しているわけではないようです。
アニサキスを予防する方法はないのでしょうか?
アニサキスは
60℃で1分間加熱
マイナス20℃で24時間冷凍
すれば確実に死にます。
諸外国のほとんどはマイナス20度で24時間冷凍しないといけない法規制や推奨義務がある国がほとんどです。
ですから、
アニサキスはほとんど発生していないのが現状で、
日本だけが飛び抜けてアニサキスの発症が多い国になっています。
生で魚を食べる文化があるのですが、実際は冷凍した後に解凍して食べても味が劣化するということはほとんどないのですが、習慣が変わらないままになっているようです。
アメリカではここ50年で
70件程度
のアニサキス症の報告数ですし、
ヨーロッパ全体でもここ50年で
550件前後の報告数
でしかありませんから、日本が数値的に飛び抜けて多いと分かります。
厚生労働省はアニサキス症の実態数と報告数に乖離があることなどに興味はなく、ただ自分たちで作った報告の仕組みさえ上手く回っていれば良いと考えているお役人的な考え方で、
冷凍するという仕組み
を作ろうとしないのは大いに疑問を感じています。
他の食中毒と違って生の魚のアニサキスを完全に除去することなど物理的に無理な話で、
冷凍さえしてしまえばアニサキス症の発生はほぼゼロになるのに、報告があったお店は2日間の営業停止にさせられてしまうのは、本当に事故に遭ったようなもので、お店の責任では全くないと思います。
国の仕組みの問題
を営業停止という罰の問題にすり替えているとしか見えませんが。。。
では、今週も頑張っていきましょう!
この記事を書いた人
平島 徹朗
医師
国立佐賀大学医学部 卒業。 大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、 多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。