MENU
閉じる
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年01月26日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は胃痛のお話です。
当院でも胃痛で受診される方が多くいらっしゃいます。
そして、胃がんがあるのではないか?というのが多くの方が不安に思い、胃カメラを希望されます。
当院では、「胃痛あるから胃カメラ」をすぐ行うのではなく、胃カメラの適応をしっかりと判断してから行っております。
まず
➀最後に胃カメラを受けたのはいつか?
→1年以内に受けたことがあれば、受ける必要がないかもしれません。
➁ピロリ菌の有無?除菌したことがあるか?
を確認します。
胃痛の場合、胃カメラを行ってもほぼ99%の方は胃潰瘍、十二指腸、胃がんなどは発見されません。
特にピロリ菌が陰性の方に上記3疾患ができることはほぼありません。
そして、ピロリ菌除菌後も上記3疾患が発生するリスクは低いのです。
例外として、ピロリ菌陰性、除菌後でも痛み止めを飲みすぎると潰瘍が発生することがあります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍も小さいものでは症状はほぼ出ず、胃がんもかなり大きくならない限り症状は出ません。
我々は、リスクが低そうな人には内服治療を優先、リスクが高い人には内服治療+胃カメラという治療方針で診療しています。
症例の方は、胃痛がひどいと言われて受診されました。
2,3週間前から毎日、毎日、痛みがひどく食事量も減っていると訴えていらっしゃいました。またご兄弟にピロリ菌陽性だった方がいたそうです。
胃カメラを受けたことはありませんでした。
総合的に判断して、胃潰瘍or十二指腸潰瘍(もしかしたら胃がん?)の可能性も考え、胃カメラを予約して、胃カメラ前日までプロトンポンプ阻害薬という潰瘍の治療薬を処方しました。
胃カメラをしてみると、深い潰瘍が認められました。治療薬の影響か治癒傾向もみられあした。生検では、胃がんは検出されず、内服薬のみで治癒されました。ピロリ菌も除菌したため、今後の胃潰瘍再発率はほぼありません。
ここで、注意が必要が必要なことがあります。
通常、胃潰瘍、十二指腸潰瘍は治療薬を1週間程度内服すると胃痛は改善していきます。
そこで胃カメラを受けずに内服をやめるとその潰瘍は治癒せず、悪化して症状が再発することがあります。
ひどくなると出血して吐血や黒色便などが出て、緊急内視鏡治療、入院が必要になることがあります。
我々は消化器病学会、消化器内視鏡学会専門医として多くの患者さんを診てきました。
胃痛などでお困りの方はご相談ください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。