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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年03月16日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は「ベジタリアンは大腸がんにならない?」いうお話です。
2015年に国際がん研究機関は、
加工肉が「人に対して発がん性がある(Group1)」
赤肉が「おそらく人に対して発がん性がある(Group2A)」と判定しました。
日本人でもこの傾向があるとされています。
ではベジタリアンは大腸がんにならないのでしょうか?
ある研究によると
ベジタリアンはベジタリアンでない人よりも大腸がんのリスクが22%低いとされています。
中でも、肉は食べないが卵や乳製品はOK、魚も適度に食するベジタリアン(ペスコベジタリアン、ペスカタリアン)は大腸がんリスクが43%、続くラクトオボベジタリアン(肉や魚は食べず、卵や乳製品はOK)は18%、ビーガン(卵、乳製品、肉や魚すべて食べない)は16%、セミベジタリアン(卵や乳製品はOK、魚や肉は週1回以下、月に1回以上)は8%、それぞれ相対リスクが低くなりました。
よってこの研究からわかることはペスコベジタリアン(ペスカタリアン)が一番大腸がんのリスクが低いということです。
肉はやはり発がんのリスクが多少あるということが推測されますが、魚や乳製品が大腸がんを予防するということはわかっていません。
また、ベジタリアンの人が多く摂取する野菜、果物、マメ類、食物繊維の豊富な全粒穀物が大腸がんを低下させる原因とされています。
ベジタリアンの人々は、脂質や糖質などの摂取も少なく肥満傾向にないこともリスク低下の原因ともされています。
大腸がんの低下のために全人類がペスコベジタリアンになった方が良いのですが、
それは難しいですよね。
細かなことは気にしないのが理想です。
しかし、
「今日は肉より魚にしとこうかな?」
「今日は繊維質少なめだったから、明日は気を付けよう」
「糖質取りすぎたから、気を付けよう」などと考えを持つこと、
そして病気やそのリスクなど健康に関心を持つことが、様々な病気の予防につながる可能性があります。
積極的に健診や人間ドックなどを受け、病気の早期発見早期治療になれば良いなと考えます。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。