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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ

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腫瘍マーカー 理解してる?

2026年10月07日

  • 副院長ブログ

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。

 

健康診断や人間ドックの血液検査で、「腫瘍マーカー」という言葉を目にしたことがある方も多いと思います。

 

診察室でも、

 

「腫瘍マーカーが正常だったので、がんは大丈夫ですよね?」

「人間ドックで腫瘍マーカーを追加する必要はありますか?」

 

と聞かれることがあります。

 

しかし、ここには少し注意が必要です。

 

結論から言うと、腫瘍マーカーが正常だからといって、がんがないとは言い切れません。

 

➀そもそも腫瘍マーカーとは?

 

腫瘍マーカーとは、がんがあることで血液中に増えることがある物質の総称です。

 

消化器領域では、CEAやCA19-9などがよく知られています。CEAは大腸がんや胃がんなど、CA19-9は膵臓がんや胆道がんなどで上昇することがあります。

 

「それなら血液検査で腫瘍マーカーを測れば、がんを早く見つけられるのでは?」

 

と思うかもしれません。

 

残念ながら、それほど単純ではありません。

 

早期がんでは正常なことがほとんどです。

 

腫瘍マーカーの大きな問題は、がんがあっても必ず上昇するわけではないことです。

 

特に早期のがんでは、腫瘍マーカーが正常範囲内ということも珍しくありません。

 

例えば、胃カメラで数ミリから1cm程度の早期胃がんが見つかったとしても、
血液検査では全く異常がないことがあります。

@腫瘍マーカーが上昇しない早期胃がん

大腸がんでも同じです。

 

内視鏡で治療できるような早期の段階では、
CEAなどの腫瘍マーカーはほとんどの症例で正常です。

 

つまり、

 

「腫瘍マーカーが正常=早期がんもない」

 

という意味ではないのです。

 

@腫瘍マーカーが正常な進行胃がん

②腫瘍マーカーが高いからといって、がんとも限りません

 

腫瘍マーカーが基準値を超えていると、

 

「がんになってしまったのでは?」と非常に心配される方がいます。

 

しかし、腫瘍マーカーはがん以外の理由でも上昇することがあります。

 

例えばCEAは喫煙などの影響で高くなることがありますし、
CA19-9は胆石や胆管炎、膵炎などの良性疾患でも上昇することがあります。

 

したがって、

 

正常だからがんではない、高いからがんである、という単純な検査ではありません。

 

③腫瘍マーカーは何のために測るの?

 

腫瘍マーカーは、すでにがんと診断された方の経過をみるために非常に役立つことがあります。

 

治療前に高かった数値が手術や抗がん剤治療によって低下したり、
経過中に再び上昇したりすることで、治療効果や再発などを判断する材料の一つになります。

 

一方で、症状のない人に腫瘍マーカーだけを測って、すべてのがんを早期発見することはできません。

 

ここを混同しないことが大切です。

 

がんによって適した検査は違います

 

胃がんの早期発見には胃カメラ、大腸がんや大腸ポリープには大腸カメラが非常に重要です。

 

一方、胃カメラや大腸カメラでは膵臓や肝臓、胆のうを直接観察することはできません。
必要に応じて腹部エコーやCT、MRIなど別の検査を組み合わせます。

 

つまり、「血液検査が正常だから安心」ではなく、それぞれの臓器に適した検査を受けることが大切なのです。

 

特にがんは、症状が出る前の早い段階で見つけることが重要です。

 

「毎年血液検査をしているから大丈夫」

 

「腫瘍マーカーが正常だから胃カメラや大腸カメラは受けなくてもいい」

 

とは考えないでください。

 

当院では、「がんで亡くなる人、苦しむ人を一人でも多く減らしたい」という思いで診療を行っています。

 

腫瘍マーカーは便利な検査ですが、万能な「がん検査」ではありません。

 

年齢や症状、家族歴、これまでの検査結果などを考えながら、自分に必要な検査を適切なタイミングで受けることが、がんの早期発見への一番の近道だと考えています。

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この記事を書いた人

この記事を書いた人

久津川 誠

医師

国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。

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