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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年10月15日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「大腸ポリープを取ったら、実はがんだった」というお話です。
大腸カメラでポリープが見つかり、その場で切除した経験がある方もいらっしゃると思います。
通常、切除したポリープは病理検査に提出し、顕微鏡で詳しく調べます。
その結果を説明するときに、
「切除したポリープから、がんが見つかりました」
とお伝えすることがあります。
患者さんは当然驚かれます。
「がんだったんですか?」
「もう一度手術が必要ですか?」
「抗がん剤治療をしないといけませんか?」
しかし、大腸ポリープからがんが見つかったからといって、必ずしも追加の手術や抗がん剤治療が必要になるわけではありません。
実は、ポリープを切除した時点で、がんの治療が終わっていることもあるのです。
大腸がんの多くは、腺腫という良性のポリープから発生すると考えられています。
腺腫が少しずつ大きくなり、その一部ががんに変化することがあります。
そのため、内視鏡で見つけたポリープを切除し、病理検査を行うと、ポリープの一部にがん細胞が見つかることがあります。
ただし、すべての大腸がんがポリープから発生するわけではありません。正常に見える粘膜から直接発生するタイプもあります。
重要なのは、がんになっていても、早い段階であれば内視鏡だけで治療できる可能性があるということです。
・内視鏡切除後に早期大腸がんであることが判明

大腸の壁は、内側から粘膜、粘膜下層、筋層などで構成されています。
大腸がんは、どこまで深く入り込んでいるかによって治療方法が変わります。
例えば、がんが粘膜内にとどまっている場合、リンパ節転移は基本的に起こらないと考えられており、内視鏡で完全に切除できれば、それで治療が終了することがあります。
つまり、「がん」という診断であっても、お腹を切る手術をせずに治せる場合があるのです。
これが、大腸がんを早期に発見する大きなメリットの一つです。
一方、がんが粘膜より深い粘膜下層まで入り込んでいる場合には、注意が必要です。
粘膜下層にはリンパ管や血管があり、がんがリンパ節などに転移する可能性が出てくるからです。
ただし、粘膜下層に達しているがんがすべて追加手術になるわけではありません。
切除した病変の病理検査で、がんの深さ、血管やリンパ管への侵入の有無、がん細胞の性質、切除断端などを詳しく調べます。
これらを総合的に判断して、追加の外科手術が必要かどうかを検討します。
ここで知っておいていただきたいのは、内視鏡でがんを取り切れていても、
リンパ節転移のリスクがあれば追加手術が必要になることがあるという点です。
内視鏡では大腸の壁にある病変は切除できますが、周囲のリンパ節まで切除することはできないからです。
「小さなポリープだから、がんではないだろう」
と思われるかもしれません。
確かに、一般的にはポリープが大きくなるほど、がんが含まれる可能性は高くなります。
しかし、小さな病変でもがんが見つかることがありますし、凹んでいる病変は特に注意が必要です。
そのため、内視鏡医は大きさだけでなく、色や形、表面の模様、血管の状態などを詳しく観察しています。
・病変は小さかったが、切除後に早期粘膜内がんと診断された症例

大腸がんの大きな特徴は、がんになる前のポリープを切除することで、将来の大腸がんを予防できるということです。
さらに、すでにがんになっていたとしても、早期に発見できれば内視鏡治療だけで完治を目指せる場合があります。
つまり、大腸カメラには「ポリープやがんを見つける」だけでなく、「がんを予防する」「早期がんを治療する」という重要な役割があります。
大腸がんは、早期の段階ではほとんど症状がありません。
血便や腹痛などの症状が出てからでは、すでに進行していることもあります。
当院では、「がんで亡くなる人、苦しむ人を一人でも多く減らしたい」という思いで日々内視鏡検査を行っています。
大腸がんは、早く見つけることで治療の選択肢が大きく変わる病気です。
症状がないうちから適切な検診を受け、必要に応じて大腸カメラを受けることが、将来の大腸がんから命を守ることにつながると考えています。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。