こんにちは、平島です。
横浜は朝晩はだいぶ涼しくなってきましたが、
福岡は朝晩も日中もまだまだ暑くて、特に湿気がもの凄くて東南アジアにいるような感覚に陥ってしまいます。
日本人の死因統計を見ると、長年トップを走り続ける
「悪性新生物(がん)」
と、
心疾患や脳血管疾患を合わせた「血管系疾患」
が全体の約半数を占めています。
人は最終的に「がん系」で倒れるのか、それとも「血管系」で倒れるのか。
今回は両者のメカニズムの違いを詳しく紐解いていきます。
1. 「細胞の暴走(がん)」と「配管の破綻(血管)」の本質的な違い
体の中で起きている現象を工学的に例えると、両者の違いが非常によく分かります。
○がん系(悪性新生物)=「細胞のコピーエラー・暴走」
人間の細胞は日々分裂を繰り返していますが、老化や毒素、慢性炎症によって遺伝子のコピーミスが重なると、
ブレーキの利かない異常細胞(がん細胞)
が生まれます。
○血管系(心筋梗塞・脳卒中)=「全身の配管トラブル(目詰まりと破裂)」
心臓から送り出される血液を通す血管は、いわば
水道管
です。
高血圧、脂質異常、高血糖などによって内壁が硬くなり(動脈硬化)、
プラークと呼ばれる脂の塊が破裂して血栓が詰まるか、脆くなって破裂します。
どちらで命を落とすかは、単なる運ではなく
「体内のどの部分に、どのような種類の慢性的ストレスをかけ続けてきたか」
という長年の生活パターンの蓄積で決まってきます。
2. 医療現場で感じる:二大死因の分岐点
① 「慢性炎症」が続く場所の違い
実は、がんも動脈硬化も、根本にある共通言語は
「慢性的な微小炎症」
です。
胃炎(ピロリ菌)や大腸ポリープ、脂肪肝炎(MASH)のように、
上皮細胞のターンオーバーが過剰に繰り返される部位ではDNA切断が起きやすく
「がん」
に傾きます。
一方で、
内臓脂肪の過剰蓄積やインスリン抵抗性、喫煙による活性酸素が血管内皮細胞を傷つけ続けると、血管の弾力性が失われて
「心筋梗塞・脳梗塞」
へと傾きます。
② 内視鏡で見える「血管の若さ」
胃や大腸の内視鏡スコープを挿入した際、粘膜の表面には無数の微小血管が透けて見えます。
健康な方の血管は細くしなやかで規則正しい網目状をしていますが、
血管系リスクが高い方の粘膜血管は蛇行して太く硬化していることが一目で分かります。
消化管粘膜の血管の乱れは、心臓や脳の血管の老化をそのまま映し出す鏡なのです。
3. あなたはどっち派?リスクを見極めるサイン
○「がん系」に傾きやすいタイプ
血縁者にがんの既往が多い
ピロリ菌感染歴がある
便潜血陽性を放置している
過度の飲酒(顔がすぐ赤くなる体質での大酒)
超加工肉や精製糖質の偏食。
○「血管系」に傾きやすいタイプ
血圧が収縮期140以上
LDLコレステロールや中性脂肪が過度に高い
食後高血糖(血糖値スパイク)を繰り返している
運動習慣が皆無、喫煙者
終わりに
「がん」と「血管事故」、どちらで人生の幕を引くかを分けるのは、特別な遺伝子だけではありません。
毎日の食事で腸や血管を傷つけないこと、適度な運動で血流を促すこと、
そして何より
「定期的なスクリーニング検査」
で芽を摘むことです。
胃カメラ・大腸カメラでがんの初期病変やポリープを切除し、
血液検査や血圧測定で血管の悲鳴を察知する。
この両輪のメンテナンスこそが、健康寿命を最大限に延ばす唯一の確実な方法です。