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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年06月08日
こんにちは。副院長の東です。
日曜日から雨が始まりました。
関東地方は梅雨入りした模様です。
湿度対策のため空調管理下での部屋の温度差が生じてきます。
体を冷やし過ぎないように気を付けましょう。
増えている食道がん

胃カメラ検査をする中で、通り道である食道も実はよく観察します。
下咽頭から食道入口部、そして食道、食道胃接合部、胃、十二指腸第2部までの上部消化管を検査していきます。
食道に関しては、逆流性食道炎がないか、食道がんがないか、この2点が大きなポイントです。
内視鏡検査は形態診断なので、色、形が正常と違う箇所がないかを探していきます。
どんながんも同じですが、必ず小さいものから成長して大きくなります。
そのわずかな変化を捉えられることが出来るかどうかが早期発見につながるのです。
以前は、ルゴール染色によるヨードデンプン反応を利用した方法を用いて診断する事が多かったのですが、
近年は、オリンパス社製のカメラではNBI、フジフィルム社製のカメラではBLIを用いて侵襲なく検査できるようになりました。
がんは、がん細胞自身が成長するために血管を増殖して、宿主から栄養を奪い取っていきます。
その血管が、正常とは異なり幼弱なので異型といって、形や大きさがが不均一なのが特徴なのです。
食道粘膜は、きれいな血管模様が見える粘膜なので、その中で異型血管が出現しているかを探していきます。
その血管の形が、がんの成長につれてどんどん悪くなっていくので、
がんの根の深さを評価する深達度診断の基準になっています。
幼弱だった血管が、太く、屈曲、不均一になればなるほどがんの根は深くなります。
がんは、根が深くなれば血管やリンパ管へ浸潤し、多臓器へ転移をし始めるのです。
食道がんに関して言えば、
アルコールが主な原因で生じる、食道扁平上皮がんと、
胃酸逆流が原因で生じる、バレット食道腺癌の二つに分けられます。
アジア人はアルコールを分解する力が弱く、アルコール分海産物のアセトアルデヒドによる慢性炎症が起こります。
ごく稀にアルコールを飲まない人の原因として、パピローマウイルスに関連する発がんが起こります。
この2つのがんは、食道扁平上皮がんで食道上部から中部に多いのが特徴です。
そして、近年増加しているバレット食道腺がんです。
逆流性食道炎によって食道胃接合部に炎症が起きます。
炎症を受けた食道粘膜は胃粘膜で修復され、それをバレット食道と呼びます。
逆流による炎症が繰り返されると、バレット食道が長くなっていく事が起こります。
このバレット食道が、不安定な粘膜なので、炎症の修復の際のミスからがん細胞を生じやすくしてしまうのです。
日本人の食道がんは、アルコール関連発がんが最も多い状況です。
ただし、欧米人に多いバレット食道腺がんが日本人にも増加してきていることに注意が必要です。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。