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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年07月12日
こんにちは。副院長の東です。
先週半ばから気温30度越えの真夏日が続いています。
おそらく梅雨が明けたのではないかと思うような気候ですね。
夏はもうすぐ始まります!
胃X線検査は必要?

健診や人間ドックを受ける際に、胃の検査といえば胃X線検査と胃内視鏡検査があります。
胃X線検査は通称バリウム検査と呼ばれています。
健診では昔から行われている検査で、バス健診で受けたことがある方もいるのではないしょうか?
バリウムは元素としての金属であり、医療では胃X線検査に用いられるX線造影剤として利用される物質です。
X線は物質を透過しバリウムはX線を通過しない性質なので、その原理を利用した白黒の影絵の写真です。
食道と胃の表面粘膜にバリウムはべったりと張り付き、その表面構造を映し出します。
隆起していればバリウムをはじき、陥凹していればバリウムがたまります。
その原理的には胃粘膜表面の模様をきれいに表現でるはずですが、
1つ問題があります。
胃粘膜には粘液という表面を守る物質に覆われています。
粘液は病原菌から守る意味、消化酵素である胃酸の強い刺激から守る意味がある重要な物質です。
この粘液があるとバリウムの液体は、表演構造を完全には表現できません。
進行胃がんや胃潰瘍な、凸凹が大きな疾患を見つけるの良いと思いますが、
早期胃がんの様なわずかな陥凹を見つけるのは、健診のようなスクリーニング検査ではほぼ困難です。
しかも早期胃がんは、発赤や褪色域(白色)といった色調変化も診断するうえでは重要な項目なので、
白黒の大雑把な影絵である胃X線検査は、早期胃がんの発見する検査としては、時代遅れなのは明白です。
さらに、ピロリ菌感染率が若年層で低下してきているなかで、ピロリ菌陰性の胃がんが増えてきています。
この、ピロリ菌陰性のがんは、ほとんど凹んでなく、周囲粘膜に比べてわずかに色褪せている(白色)のが特徴です。
バリウム検査の特色である、高低差がなければ、病変を映し出すことはほぼ困難です。
実際の医療の現場では、どのように胃X線検査は用いられているのでしょうか?
胃の大きさや場所を客観的に描出できるので、今では内視鏡で診断した病変を、外科手術前に確認する程度でしかありません。
早期胃がんで内視鏡切除で治療できると診断した場合には、胃X線検査を追加で行うことは100%ありません。
内視鏡で切除できない早期胃がん、進行胃癌の外科手術前に、病変の場所を特定し胃を切除するラインを想定する場合にしか使われていません。
健診の胃X線検査の異常所見から精密検査で早期胃がんが見つかることは実はかなり少ないのです。
実際に内視鏡検査で検査してもその部位に異常所見はなく、偶然胃内の他の部位に見つかるケースが大多数だと思います。
それはなぜか、ピロリ菌陽性で萎縮性胃炎があり、その粘膜は早期胃がんを発生するリスクが高いからなのです。
やはり胃内視鏡検査での定期検査をお勧めします。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。