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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年08月06日

便秘や下痢は多くの方が一度は経験する症状です。
そのため、「便秘が続くと大腸がんになるのでは?」「下痢ばかりしているから大腸が心配」と
不安を感じる方も少なくありません。
一方で、「昔から便秘だから体質だろう」「お腹が弱いだけ」と考えて、
医療機関への受診を先延ばしにしてしまう方もいます。
実は、最新の研究では便秘や下痢そのものが大腸がんの原因とは考えにくい一方で、
急に現れた便秘や下痢は「大腸がんのサイン」である可能性があることが示されています。
・便秘や下痢は大腸がんの原因ではない?
これまで、便秘が続くことで便の中の有害物質が腸に長く留まり、大腸がんになりやすくなるという説がありました。
また、慢性的な下痢についても同様に危険因子ではないかと考えられてきました。
しかし、近年行われた大規模な研究では、
長年続く便秘や下痢そのものが大腸がんを引き起こすという明確な証拠は認められていません。
つまり、「便秘だから大腸がんになる」「下痢だから、必ず危険」というわけではありません。
・最新の研究で分かったことは?
2026年に報告されたドイツの大規模研究では、約1万人の大腸がん患者さんと約5万人の対照群を比較しました。
その結果、便秘や下痢は大腸がんと診断される6か月以内には多く認められましたが、
1年以上前には関連がありませんでした。
このことは、便秘や下痢が大腸がんを引き起こしたのではなく、
大腸がんができたことで便秘や下痢が起こっていた可能性を示しています。
つまり、便秘や下痢は「原因」ではなく、「体からの危険信号」と考える方が適切なのです。
・特に注意したい排便習慣の変化とは?
重要なのは、これまでと違う排便状態になったかどうかです。
例えば、
* 毎日出ていたのに急に便秘になった
* 便秘と下痢を繰り返すようになった
* 下痢が何週間も続くようになった
* 細い便が続くようになった
* 残便感が強くなった
* 便に血が混じる
* お腹の張りや腹痛が続く
このような変化は、大腸がんだけでなく、大腸ポリープや炎症性腸疾患などでもみられるため、一度詳しい検査を受けることが大切です。
・便潜血検査だけで安心してはいけません
大腸がん検診では便潜血検査が広く行われています。
もちろん有効な検査ですが、すべての大腸がんが便潜血検査で見つかるわけではありません。
早期のがんや出血しにくい病変では陰性になることもあります。
そのため、
* 便潜血が陰性だった
* 便秘だから様子を見よう
* 下痢だから様子を見よう
と自己判断するのは危険です。
症状が続いている場合は、便潜血検査の結果にかかわらず医療機関へ相談することをおすすめします。
@便潜血陰性の進行大腸がん

・大腸カメラが最も確実な検査‼
排便習慣の変化が続く場合に、最も確実な検査は大腸内視鏡(大腸カメラ)です。
大腸カメラでは、
* 大腸がん
* 前がん病変である大腸ポリープ
* 炎症性腸疾患
* 出血の原因
などを直接確認することができます。
さらに、小さなポリープであればその場で切除できる場合もあり、将来の大腸がん予防にもつながります。
気になる変化を見逃さないことが早期発見につながります
便秘や下痢は非常によくある症状です。そのため、多くは大腸がんではありません。
しかし、「便秘だから」「下痢だから」と軽く受け流してしまうと、大切なサインを見逃してしまうことがあります。
特に40歳を過ぎてから新たに便秘や下痢が続くようになった方、便の性状が変わった方、
血便や体重減少を伴う方は注意が必要です。
便秘や下痢は大腸がんの原因とは考えられていません。
しかし、急に始まったり、今までと違う排便習慣が続いたりする場合は、
大腸がんからの重要なメッセージである可能性があります。
気になる症状がある場合は、自己判断で様子を見るのではなく、早めに消化器内科を受診し、必要に応じて大腸カメラ検査を受けましょう。
早期発見・早期治療が、大腸がんから命を守る最も大切なポイントです。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。