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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年09月17日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
胃カメラや大腸カメラを受けて、「組織を取って調べますね」と言われたことはありませんか?
内視鏡検査では、気になる部分があった場合、その一部を採取して顕微鏡で詳しく調べる「生検(せいけん)」という検査を行うことがあります。
そして後日、結果を聞いた際に、
「グループ1でした」
「グループ5でした」
などと説明されることがあります。
ここで患者さんにぜひ知っておいていただきたいのが、
「グループ(Group)分類」と「がんのステージ(Stage)分類」は、まったく別のものだということです。
実際に診察をしていると、「グループ1と言われたので、がんのステージIですよね?」
と心配されている方がいらっしゃいます。
しかし、これは大きな勘違いです。
■「グループ分類」は生検した組織の診断
胃の生検で用いられるGroup分類は、採取した小さな組織を顕微鏡で観察して、
その組織が「腫瘍なのか」「がんなのか」などを評価するための分類です。
一般的には、
Group 1:正常組織または非腫瘍性病変
Group 2:腫瘍性か非腫瘍性か判断が難しい病変
Group 3:腺腫
Group 4:腫瘍性病変で、がんが疑われる病変
Group 5:がん
というように分類されます。
つまり、Group 1は「がんのステージI」という意味ではありません。
むしろ、生検した組織からはがんを認めていないという意味です。
ここは非常に重要なポイントです。
■「グループ1=早期がん」ではありません
患者さんから、
「以前、胃カメラで組織を取って“1”と言われました。だから早期のがんだったんですよね?」
と言われることがあります。
おそらく「Group 1」と「Stage I」が頭の中で一緒になってしまっているのだと思います。
Group 1は基本的に非腫瘍性の診断であり、Stage Iは「がんと診断された後」に、そのがんがどの程度進行しているのかを示す分類です。
したがって、
Group 1 = Stage I
ではありません。
そもそもGroup 1で「がんではない」と診断されているのであれば、
通常はその病変について「がんのStage I」という考え方はしません。
■では「ステージ」とは何でしょうか?
ステージ(病期)は、がんと診断されたあと、そのがんがどのくらい広がっているのかを表すものです。
たとえば胃がんの場合、
・がんが胃の壁のどこまで深く入り込んでいるか(T)
・リンパ節に転移しているか(N)
・ほかの臓器などに転移しているか(M)
などを組み合わせてステージを判断します。
大腸がんでも同様に、がんの深さ、リンパ節転移、遠隔転移などをもとにステージが決まります。
つまり簡単に言えば、
Group=採取した組織が「何なのか」を調べるもの
Stage=がんが「どこまで進んでいるのか」を調べるもの
という違いがあります。
■「Group 5=Stage 5」でもありません
反対に、生検の結果が「Group 5」だった場合も注意が必要です。
Group 5は、採取した組織にがんを認めたという意味ですが、Stage 5という意味ではありません。
そもそも一般的ながんのステージ分類に「Stage 5」はありません。
Group 5と診断されたあとに、内視鏡所見やCTなどの必要な検査を行い、がんの深さやリンパ節・ほかの臓器への転移などを調べて、ステージを判断していきます。
■数字だけを聞いて判断しないことが大切です
内視鏡検査の結果では、「Group」「Stage」「深達度」など、患者さんにとって分かりにくい言葉がたくさん出てきます。
特に「1」「2」「3」などの数字だけが記憶に残ってしまうと、
あとから「自分はステージIのがんだったのでは?」と不安になってしまうことがあります。
Group 1とStage Iは、まったく意味が違います。
検査結果を聞くときには数字だけではなく、
「これはグループですか?ステージですか?」
「がんという意味ですか?」
と確認していただいて構いません。
医療用語は非常に分かりにくいものです。分からないまま不安を抱えるのではなく、遠慮せず担当医に確認してください。
内視鏡検査は、病変を見つけるだけでなく、必要に応じて生検を行い、
その正体を詳しく調べることができる大切な検査です。
検査結果を正しく理解することも、安心して適切な診療を受けるための大切な第一歩です。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。