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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年09月24日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
胃カメラを受けて、
「特に異常ありませんでした」と言われて、安心したことはありませんか。
もちろん、胃カメラで異常がなかったことはとても良いことです。
しかし、ここで知っておいていただきたいのが、
「今回異常がなかった」=「今後も胃がんにならない」ではない
ということです。
では、胃カメラはどのくらいの間隔で受ければよいのでしょうか?
その判断で特に重要になるのが、ピロリ菌に感染したことがあるかどうかです。
胃がんの発生には、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)の感染が大きく関係しています。
ピロリ菌に長期間感染していると、胃の粘膜に慢性的な炎症が起こり、
徐々に「萎縮性胃炎」と呼ばれる状態になっていきます。
このような胃粘膜では、胃がんが発生するリスクが高くなります。
@ピロリ菌に長期間感染してできた萎縮性胃炎(粘膜がでこぼこしている)

現在はピロリ菌の除菌治療が広く行われるようになり、除菌することで胃がんの発生リスクを下げられることが分かっています。
ただし、ここが大切です。
「ピロリ菌を除菌した=もう胃がんにならない」ではありません。
特に長期間ピロリ菌に感染していて、すでに胃粘膜の萎縮が進んでいる方では、
除菌後も胃がんが発生する可能性があります。
@除菌後に発生した胃がん

そのため当院では、ピロリ菌に感染したことがある方、除菌治療を受けたことがある方には、胃カメラで異常がなくても基本的に年1回の胃カメラをおすすめしています。
「去年胃カメラを受けて異常がなかったのに、今年も必要ですか?」
と聞かれることがあります。
毎年胃カメラを受ける大きな目的は、胃がんが発生した場合に早い段階で見つけることです。
胃がんは早期の段階では、症状はありません。
「胃が痛くないから大丈夫」
「食欲もあるから大丈夫」
とは限らないのです。
早期の胃がんで発見できれば、お腹を切る手術ではなく、
胃カメラを使った内視鏡治療(ESD)だけで治療できるケースもあります。
だからこそ、胃がんのリスクが高い方では、症状が出てから胃カメラを受けるのではなく、
症状がないうちから定期的に確認していくことが重要なのです。
では、ピロリ菌に一度も感染していない人は大丈夫なのか?
胃カメラ検査でピロリ菌に感染した形跡がなく、胃カメラでも萎縮性胃炎がみられない方では、
胃がんの発生リスクはピロリ菌感染歴のある方と比べてかなり低くなります。
このような方の場合、必ずしも毎年胃カメラを受ける必要はなく、2年に1回程度の胃カメラでも良いと考えています。
ただし、ピロリ菌が陰性でも胃がんが絶対に発生しないわけではありません。
また、胃の症状、家族歴、過去の胃カメラの所見などによっても適切な検査間隔は変わります。
「異常なし」の次を考えることが大切です
胃カメラで「異常なし」と言われたら、そこで終わりではありません。
大切なのは、
「自分は次にいつ胃カメラを受ければよいのか」を知っておくことです。
一つの目安として、
・ピロリ菌の感染歴がある方・除菌後の方 → 年1回
・ピロリ菌に一度も感染しておらず、萎縮性胃炎もない方 → 2年に1回程度
と考えると分かりやすいと思います。
胃がんは、早期に発見できれば内視鏡で治療できる可能性があります。
「症状が出たら胃カメラ」ではなく、症状がないときに定期的に胃カメラを受け、早期発見につなげること。
これが胃がんから自分の身体を守るために、とても大切なことだと考えています。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。