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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ

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スキルス胃がんとは? 〜早期発見のために知っておきたいこと〜

2026年05月21日

  • 副院長ブログ

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、胃がんにはいくつかのタイプがありますが、スキルス胃がんについてです。
「スキルス胃がん」は特に進行が早く、発見が難しい胃がんとして知られています。
一般的な胃がんは胃の内側に隆起、陥凹(へこみ)や潰瘍を作ることが多いです。
一方、スキルス胃がんは胃の壁全体に広がるように進行するため、
初期には目立った異常が見つかりにくいという特徴があります。
そのため、症状が出た時にはすでに進行しているケースも少なくありません。しかし、正しい知識を持ち、定期的な検査を受けることで早期発見につながる可能性があります。
【スキルス胃がんの特徴】
スキルス胃がんは、胃の壁が硬く厚くなるように広がっていきます。
胃が膨らみにくくなり、食欲低下や胃もたれ、体重減少などの症状が現れることがあります。
ただし、初期にはほとんど症状がありません。
通常の胃がんのような盛り上がりやへこみができにくいため、検査でも見逃されやすく、「気づいた時には進行していた」ということが問題になる胃がんです。
比較的若い世代や女性にもみられることがあるため、自分は若いから大丈夫とも言ってられません。
【原因として重要な「ピロリ菌」】
胃がん全体の大きな原因として知られているのが「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)」です。
ピロリ菌は胃の粘膜に長期間感染し、慢性的な炎症を引き起こします。
この炎症が続くことで胃の粘膜が傷つき、萎縮性胃炎や腸上皮化生を経て、胃がん発生のリスクが高まります。
スキルス胃がんにおいても、ピロリ菌感染は重要なリスク因子のひとつと考えられています。

@ピロリ菌陽性の胃粘膜。胃内に慢性の炎症を認め、萎縮性胃炎と状態です。

特に注意したいのは、「症状がないから大丈夫」とは言えない点です。
ピロリ菌感染は自覚症状がほとんどありません。
無症状のまま進行することも多く、知らないうちに胃のダメージが蓄積している場合があります。
現在では、検査でピロリ菌感染がわかれば除菌治療を行うことが可能です。
除菌によって胃がんリスクを下げる効果が期待されています。
しかし、ここで大切なのは、「ピロリ菌陰性だから安心」というわけではないことです。
実際には、ピロリ菌に感染したことがない人でもスキルス胃がんを発症するケースがあります。遺伝的要因や体質、その他の環境要因が関与している可能性も指摘されています。
つまり、
ピロリ菌陽性 → 胃がんリスクは高い
ピロリ菌陰性 → 絶対に胃がんにならないわけではない
ということです。
そのため、「ピロリ菌がいないから検査は不要」と自己判断しないことが重要です。

@ピロリ菌陰性の胃に発生したスキルス胃がんです。胃の不調を訴え、4年ぶりの胃カメラで発見されました。

 

【検査方法 〜胃カメラが重要〜】
胃がん検診としてよく行われるのが「胃レントゲン検査」です。造影剤を飲んで胃の形や粘膜の異常を確認する検査で、スキルス胃がんが発見されることもあります。
ただし、スキルス胃がんは胃の壁の内部に広がる性質があるため、
バリウム検査で異常が明らかになる頃には、すでに進行している場合があります。
そのため、より早期発見につながりやすいのが「胃カメラ(胃内視鏡検査)」です。
胃カメラでは、胃の粘膜を直接観察できるため、わずかな変化や粘膜の硬さ、不自然なひだの変化なども確認しやすくなります。
必要に応じて組織を採取して詳しく調べることも可能です。
最近では、以前より苦痛の少ない内視鏡検査も普及しています。
・ピロリ菌感染歴がある
・家族に胃がんの方がいる
・胃の不調が続く
・健診を長年受けていない
という方は、一度胃カメラを検討することをおすすめします。
【まとめ】
スキルス胃がんは、発見が難しく進行しやすい胃がんです。
原因のひとつとしてピロリ菌感染が重要ですが、ピロリ菌陰性でも発症する可能性は十分あります。
そのため、「自分は大丈夫」と思い込まず、定期的な検査を受けることが大切です。
特に、早期発見には胃カメラ検査が重要です。
胃がんは、早く見つけることができれば治療の選択肢も広がります。
将来の健康を守るためにも、症状がなくても定期的な胃のチェックを心がけましょう。

 

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この記事を書いた人

この記事を書いた人

久津川 誠

医師

国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。

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