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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年07月15日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
「最近、声がかすれる」「高い声が出しにくい」「長く話すと声が出なくなる」。
このような症状があると、「声帯ポリープかな?」「もしかして、がんなのでは?」と不安になる方も多いでしょう。
実は、胃カメラ検査では食道や胃だけでなく、
条件が整えば咽頭(のど)や喉頭(声帯のある部分)の一部を観察できることがあります。
そのため、思いがけず声帯ポリープや喉頭の異常が見つかる場合もあります。
*胃カメラで見つかった喉頭がん(黒丸の部分が早期咽頭がん、その奥の白い三角の部分が正常声帯)

➀胃カメラで声帯は見えるのか?
胃カメラは口から挿入するため、食道へ入る前に咽頭や喉頭を通過します。
しかし、すべての方で十分に観察できるわけではありません。
咽頭反射(オエッとなる反射)が強い方では、内視鏡がのどに触れるたびに反射が起こるため、安全に食道へ進めることが優先となり、喉頭や声帯を詳しく観察することは難しくなります。
一方、鎮静剤を使用した胃カメラでは、咽頭反射が抑えられることがあります。その場合は、口腔内や咽頭を比較的落ち着いて観察でき、さらに呼吸のタイミングが合えば、声帯まで確認できることがあります。
毎回必ず見えるわけではありませんが、こうした観察の中で異常が見つかることもあります。
②声帯ポリープとは?
声帯ポリープは、声帯にできる良性のできものです。
大きな原因は、声の使いすぎです。
仕事で大きな声を出す方や、長時間話す機会が多い方、
カラオケやスポーツ観戦などで声を酷使した後にできることがあります。
代表的な症状は、
* 声がかすれる
* 声が出しにくい
* 高い声が出ない
* 話すと疲れやすい
などです。
命に関わる病気ではありませんが、症状が続く場合は耳鼻咽喉科で診察を受けることが大切です。
ただし、専門は耳鼻咽喉科です
胃カメラで声帯の異常が見つかることはありますが、
私たち消化器内科医は食道・胃・大腸などの消化管を専門としています。
そのため、声帯ポリープや喉頭の詳しい診断、治療は耳鼻咽喉科が専門です。
胃カメラで異常が疑われた場合には、耳鼻咽喉科で精密検査を受けていただくようご案内しています。
また、胃カメラで異常が見つからなかったとしても、声のかすれや違和感が続く場合は、耳鼻咽喉科で診てもらうことをおすすめします。
③「声枯れ」は食道がんのサインになることも
声がかすれる原因は声帯ポリープだけではありません。
喉頭がんや声帯の病気のほか、進行した食道がんでも声枯れ(嗄声)が起こることがあります。
食道の近くには声帯を動かす反回神経という神経が走っています。食道がんが進行してこの神経に影響すると、声帯の動きが悪くなり、声がかすれることがあります。
このような場合、声枯れだけでなく、飲み込みにくさや食事がつかえる感じを伴うこともあります。
そのため、声の異常だけでなく、飲み込みの違和感や胸のつかえ感がある場合には、耳鼻咽喉科だけでなく胃カメラによる食道の評価も重要になります。
【まとめ】
胃カメラは胃だけを調べる検査ではありません。
条件が整えば、咽頭や喉頭、時には声帯まで観察できることがあります。
その結果、声帯ポリープなどの異常に気付くきっかけになることもあります。
ただし、声帯の病気を専門的に診断・治療するのは耳鼻咽喉科です。
声がかすれる、出しにくいといった症状が続く場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
一方で、声枯れの原因が食道がんなど消化器の病気である可能性もゼロではありません。
特に飲み込みにくさや胸のつかえ感を伴う場合は、胃カメラによる食道の検査も重要です。
「声がおかしいだけだから」と軽く考えず、症状に応じて適切な診療科で検査を受けることが、病気の早期発見につながります。
*他院で声帯ポリープと診断されたが、精査したら「がん」だった喉頭がん

この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。