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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年08月19日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニック院長の久津川です。
当院の外来や大腸カメラ検査の後で、患者さんからよくいただくご質問の一つに、
「大腸憩室(けいしつ)は、大丈夫でしょうか?」というものがあります。
「憩室」という聞き慣れない言葉を聞くと、
「何か悪い病気の前触れなのではないか…」と不安になってしまいますよね。
大腸憩室自体は、年齢とともに増えていく非常によくあるものですが、
注意していただきたい合併症がいくつかあります。
今回は、大腸憩室とはどのようなものなのか、そして「憩室炎」や「憩室出血」について、わかりやすく解説します。
1. 大腸憩室とは?原因とできる場所
大腸憩室とは、大腸の壁(筋肉の層)の薄い部分が、腸管内の圧力などに押されて外側に向かって袋状に飛び出した状態をいいます。
大腸の内側から覗くと、小さなくぼみのように見えます。

・大腸憩室はがんになるの?
結論からお伝えすると、大腸憩室そのものは「がん」ではありません。 また、憩室があるからといって、将来大腸がんになりやすくなるわけでもありませんのでご安心ください。
・なぜできるの?
大腸憩室ができる主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
加齢に伴う大腸の壁の筋力低下
便秘などによる大腸内部の圧力(内圧)の上昇
食物繊維の少ない食生活
運動不足や肥満、体質的な要因
大腸憩室は決して珍しい病気ではなく、成人の約20〜30%程度に見られ、
ご年齢を重ねるにつれて増えていく傾向があります。
大腸カメラを行うと、複数の憩室をお持ちの方もたくさんいらっしゃいます。
2. 「大腸憩室があります」と言われたらどうする?
人間ドックや大腸カメラ検査で「大腸憩室がある」と言われても、
現在お腹の症状が何もないのであれば、基本的には治療の必要はありません。
憩室そのものを薬で消したり、内視鏡で切り取ったりすることもできません。
普段の生活で大切なのは、便秘を予防し、バランスのよい食生活(食物繊維と水分をしっかりとる)や適度な運動を心がけることです。
ただし、大腸憩室がある方に知っておいていただきたいのが、「大腸憩室炎」と「大腸憩室出血」という2つの代表的な合併症です。
3. 注意したい合併症①:大腸憩室炎(腹痛・発熱)
憩室の中に便のカスなどが入り込み、そこに細菌が繁殖して炎症を起こしてしまう状態を「大腸憩室炎」といいます。
主な症状は腹痛(炎症の場所によって、右下腹部や左下腹部が痛むことがあります)、発熱
治療と対応: 軽症であれば、食事の調整や安静、内服薬(抗菌薬など)で改善します。ただし、炎症が強くなって膿がたまったり(膿瘍)、腸に穴が開いたり(穿孔)した場合は、入院治療や専門的な処置が必要になることもあります。
強いお腹の痛みや熱が引かないときは、我慢せずに消化器内科を受診してください。
4. 注意したい合併症②:大腸憩室出血(突然の血便)
もう一つ注意が必要なのが、憩室の底にある小さな血管が傷ついて出血してしまう「大腸憩室出血」です。
主な症状: 「腹痛がほとんどないのに、突然かなりの量の血便が出る」のが大きな特徴です。便器が真っ赤に染まるほどの出血で、驚いて救急受診される患者さんも少なくありません。
治療と対応: 自然に血が止まることも多いですが、出血量が多い場合や繰り返す場合は、大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)による止血処置を行います。必要に応じて専門病院と連携することもあります。
5.まとめ:
過度に心配せず、気になる症状があれば消化器内科に行ってください。
大腸憩室は、誰にでもできうる非常にありふれたものです。
憩室があること自体に過度な心配はいりません。
ですが、
「お腹が痛い」「熱がある」 ➔ 憩室炎のサイン
「突然、真っ赤な血便が出た」 ➔ 憩室出血のサイン
これらのような症状が見られたときは、早めに消化器内科へご相談ください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。