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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年08月13日
こんにちは。副院長の東です。
台風の影響もありましたが、台風が過ぎても雨が突然降るような天候です。
夏の強い日差しを日中浴びる時が多くなります。
日焼け対策、熱中症対策をしていきましょう。
食道アカラシアと食道がん

食道アカラシアという疾患を聞いたことありますか?
ほとんどの方は聞いたことがないと思います。
食道の良性疾患で、胃と食道のつなぎ目にある下部食道括約筋が十分に緩まないことで、
飲食物がスムーズに食道から胃へと通過しなくなる病気です。
若い世代の女性に多く起こり、当院でも数名いて内視鏡検査で疑われたため専門病院へ紹介しています。
飲食物は食道を通って胃の中に運ばれます。このとき食道が蠕動運動を行うことで飲食物はスムーズに胃へ運ばれます。
食道アカラシアは、食道胃接合部が狭くなるため、食事が食道内に停滞している状態が起こります。
この状態が恒常化すると、食道が次第に拡張していきます。
そうなると、胃食道逆流症(GERD)の時と同様に喉のつかえ感や吐き気・嘔吐、胸痛などの症状がみられるようになります。
北欧から、食道アカラシアと食道がんについての関係性が報告されました。
食道がんの症例(3万5,604例)に対し、1:10で年齢、性別、暦年、国をマッチさせた背景人口対照(35万5,869例)を対象にしています。
症例群137例(扁平上皮がん96例、腺がん41例)、
対照群230例(扁平上皮がん99例、腺がん131例)
にアカラシアが認められました。
アカラシアは、食道扁平上皮がんリスクの著しい上昇と関連していました(OR=9.46、95% CI 7.07-12.65)。
食道腺がんについては中程度の関連が認められましたが(OR=3.05、95% CI 2.14-4.35)、
GERDで調整した後は減弱していました(OR=1.44、95% CI 0.99-2.09)。
結論として、アカラシアは、食道扁平上皮がんと強く関連していると考えられました。
今までも、上部消化管内視鏡検査の際に食道アカラシアを見た場合には食道がんの発生に注意していました。
この論文は、それを証明したような形になります。
通常行う上部消化管内視鏡検査の中に、いろいろな疾患が隠れています。
食道アカラシアの診察経験がある医師はそれほど多くはないと思います。
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。