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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年11月04日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「胆嚢結石(たんのうけっせき)= 胆石」についてです。
健康診断や人間ドックの腹部エコーで、「胆石があります」と指摘されたことはありませんか?
診察室でも、
「胆石があると言われましたが、大丈夫ですか?」
「胆石は取らなくても大丈夫ですか?」
「放っておくと、がんになるのでしょうか?」
といった質問を受けることがあります。
胆石と聞くと、突然の激しい腹痛をイメージする方も多いと思います。
しかし、実際には胆石があっても、全く症状がない方が非常に多いです。
では、症状がない胆石は放っておいてもよいのでしょうか?手術になるのでしょうか?
・胆石と総胆管結石はここにできる

胆石とは、胆汁という消化液の成分が固まってできた石のことです。
胆汁は肝臓で作られ、胆のうに蓄えられています。食事をすると胆のうが収縮し、胆汁が十二指腸へ送り出され、脂肪の消化を助けます。
胆石は、この胆のうの中にできることが多く、コレステロールなどが主な成分となっています。
胆石があっても症状が出ないことは珍しくなく、健康診断などで偶然発見されることがあります。
・腹部エコーにて発見された胆のう結石(胆石)

胆石になりやすい人の特徴として、昔から「4F」という言葉が知られています。
これらの頭文字を取って「4F」と呼ばれています。
ただし、これは昔から知られている典型的な特徴であり、4Fに当てはまらない方でも胆石はできます。
また、急激な体重減少や糖尿病なども胆石のリスクと関連しています。
結論から言うと、症状のない胆石は、必ずしも手術する必要はありません。
無症状の胆石では、その後も症状が出ずに経過する方が多いため、基本的には経過観察となります。
ただし、胆のうの壁が著しく厚くなっている場合や、胆のうがんを疑う所見がある場合などには、
症状がなくても手術を検討することがあります。
また、胆のうの中にある石と、胆汁の通り道である総胆管にある石では対応が異なります。
総胆管結石は、症状がなくても胆管炎や膵炎などの原因になるため、原則として治療が検討されます。
つまり、胆石がどこにあるのか、胆のうに異常がないかによって対応が変わるのです。
胆石が胆のうの出口に詰まると、突然強い痛みが出ることがあります。
これを胆石発作と呼びます。
典型的には、みぞおちや右上腹部に痛みが現れ、背中や右肩に広がることもあります。
脂っこい食事の後に起こることもありますが、食事とは関係なく発症する場合もあります。
痛みが自然に治まることもありますが、繰り返す場合には胆のう摘出術が検討されます。
胆石で特に注意したいのが、胆のう炎や胆管炎です。
胆石が詰まった状態が続くと、胆のうに炎症が起こり、強い腹痛や発熱が出ることがあります。
また、総胆管に石が詰まると、胆汁の流れが悪くなり、皮膚や白目が黄色くなる「黄疸」が現れることがあります。
胆管炎は重症化すると命に関わることもあるため、早急な治療が必要です。
強い腹痛が続く、発熱を伴う、黄疸が出るといった場合には、我慢せず速やかに医療機関を受診してください。
胆石がある方では胆のうがんとの関連が知られていますが、胆石があるからといって、必ずがんになるわけではありません。
実際には、胆石を持っている方の大部分は胆のうがんになりません。
そのため、胆石があるという理由だけで、がん予防のために胆のうを摘出することは一般的には推奨されていません。
ただし、胆のうの壁の異常や腫瘤などが見つかった場合には、詳しい検査が必要です。
胆石の診断において、腹部エコーは非常に有用な検査です。
放射線による被ばくがなく、体への負担が少ないため、胆のうの状態を調べる際に広く用いられています。
腹部エコーでは、胆石の有無や大きさ、数だけでなく、胆のうの壁が厚くなっていないか、
胆のうポリープなどの病変がないかも確認できます。
さらに、肝臓や膵臓など周囲の臓器も観察できるため、胆石以外の病気が見つかることもあります。
ただし、腸管のガスや体格などによって見えにくい部分もあり、腹部エコーだけですべての病気が分かるわけではありません。
必要に応じてCTやMRIなどを組み合わせます。
胃カメラや大腸カメラでは、胆のうや膵臓の内部を直接観察することはできません。
そのため、胃カメラや大腸カメラを定期的に受けている方でも、症状やこれまでの検査結果によっては、腹部エコーを受ける意味があります。
胆石は、見つかったからといって必ず手術が必要な病気ではありません。
一方で、胆石の有無だけでなく、胆のうの壁や周囲の臓器に異常がないかを確認することも大切です。
特に、以前に胆石を指摘されたものの、その後一度も検査を受けていない方や、健康診断で胆のうの異常を指摘された方は、
腹部エコーによる確認を検討していただきたいと思います。
当院では、胃カメラ・大腸カメラだけでなく、腹部エコーによる肝臓・胆のう・膵臓などの観察も行っています。
「症状がないから大丈夫」と自己判断するのではなく、必要に応じて腹部エコーでお腹の中を確認することも、病気の早期発見につながります。
胆石を指摘されたことがある方や、胆のうの状態が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。