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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2021年07月28日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「大腸がん」の症状についてのお話です。
大腸がんは、最近では一番多いがんであり、女性では死因の1位は「大腸がん」です。
乳がんになる方が圧倒的に多いのに、亡くなるのは大腸がんが多いのはなぜでしょう?
まず、大腸がんは大きくなるまでなかなか症状が出ない、検診を受けていない、内視鏡検査のハードルが高いなどが原因です。
これは知っといてもらいたいことですが、大腸がんは予防できるがんです。大腸がんの前がん状態である良性ポリープを切除することで、かなり高い割合で大腸がんになるのを防ぐことができます。
また、早期のがんは「おなかを切らずに、内視鏡で治療できる」ため身体に負担がかかりません。
大腸ポリープや大腸がんはほとんど症状がでません。早期に発見するには、内視鏡検査が欠かせません。粘膜内がん(一番浅いところにとどまるがん)であれば、ほぼ100%完治できます。なくなることはありません。
写真の患者さんは数年前に便潜血検査陽性と指摘されていましたが、放置して内視鏡検査を受けていませんでした。血便が出始めて、やっと受診され進行大腸がんが発見されました。
まだ、それでも内視鏡検査は受けたくないなぁと思っている方に大腸がん(特に進行がん)の症状を何個かお伝えします。もし、自分に当てはまることがあれば、勇気を出して内視鏡検査を受けましょう!
https://www.tamapla-ichounaika.com/knowledge/category/post-24648/
①便秘
慢性的な便秘ではなく、ゆっくり悪化しているような便秘がある方は要注意です。進行がんのために便が通過しにくくなり、便が出にくい、おなかが張るなどの症状が出ます。
②便が細い
①の症状と同じメカニズムで大腸の中ががんで管腔が狭くなるため、便が細くなることがあります。
③貧血
進行大腸がんは、少しずつ出血しています。量は多くなく、気づかない程度なので数ヶ月から数年かけて貧血が進行します。疲れやすい、ふらつき、めまいが最近多い時は要注意です。
④体重減少
これはかなり進行していることがあります。がんに栄養を取られてしまい、ダイエットしていないのに
体重が数ヶ月かけて少しずつ減っていきます。
⑤血便
進行大腸がんは、少しずつ出血しているため、はじめのうちは目に見えないのですが、大きくなるにつれて出血量が増えて、目にみえるようになります。便や便器に付着している、トイレットペーパーに血液がついているなどは要注意です。
⑥便潜血検査陽性(症状ではないのですが…..)
当院で発見される進行大腸がんの患者さんの一番多い受診理由が「便潜血陽性」です。
ほぼ症状がない方ばかりです。
ほぼ症状がなくても、おなかを切る手術に加え、抗がん剤治療が必要になることもあります
上記に当てはまる方は、一度ご相談ください。
我々は大腸がんで亡くなる方を少しでも減らせるよう大腸内視鏡検査を受けやすい安心の環境を整えて、皆様をお待ちしています。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。