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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2021年08月18日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、「便潜血陽性を放置しておくと危険だよ」というお話です。
大腸がん検診として有名な「便潜血検査」ですが、陽性になっても放置して精密検査としての「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」を受けていない人が30-40%くらいいます。
便潜血陽性になったら、放置せずになるべく早く(数か月以内)には大腸内視鏡検査をした方が良いみたいです。
アメリカの研究では、便潜血陽性を指摘されてから1-3か月以内に大腸内視鏡検査を受けた人と放置して、1年-2年くらいで受けた人との比較を報告しています。大腸がんと診断されるリスクや死亡するリスクを検討しています。
大腸がんと診断されるリスク;
細かい数字は省きますが、1-3か月以内に受けた人と1年以降に受けた人と比べるとやはり放置した人の方が大腸がんと診断された人は多かったです。
内視鏡検査を受けるのを何らかの理由で先延ばしにしてしまった人では、大腸がんと診断されるリスクが有意に高くなります。
*便潜血陽性で発見された進行大腸がん
大腸がんの死亡リスク;
細かい数字は省きますが、1年半以上放置してしまうと早めに大腸内視鏡検査を受けた人より死亡リスクが有意に高くなりました。
進行大腸がんと診断されるリスク;
16カ月以降に大腸内視鏡検査を受けた人は、大腸がんが進行した段階で発見されることが1.7倍高いとわかりました。
便潜血陽性を指摘されたら、なるべく早く大腸内視鏡検査を受けましょう(以前に大腸内視鏡検査を受けた人は、次回の検査は主治医にご確認ください)。
大腸がんと診断されるリスク、大腸がんで死亡するリスク、進行大腸がんで発見されるリスクを、早期に大腸内視鏡検査を受ける人は減らせるかもしれません。
特に大腸がんは、前がん病変である大腸ポリープ(下写真)を早期に切除することで予防できる可能性があります。
また早期に大腸がんを発見すれば、大腸がんで命を落とす可能性は低くなります。
次の方は内視鏡検査を受け、日帰り内視鏡治療で大腸がんが完治しました。
まずは怖がらず、大腸内視鏡検査を受けましょう。
当院の大腸内視鏡検査は、「安全に苦しさと痛みに配慮した大腸内視鏡検査を提供する」「見逃しのない高精度な観察を行う」というのが特徴です。
これまで培ってきた内視鏡検査の経験を十分に活かして高精度で安全な内視鏡検査、治療を行うように努めています。消化器内視鏡学会専門医である内視鏡を専門とする医師が、各臓器のポイント毎にどのような内視鏡操作を行えば苦しさと痛みに配慮した検査になるのかを熟知していますので、安心してお任せください。
そしてみなさま各人に合わせた、最適な量の鎮静剤を考えて検査をしています。こちらも多くの経験により検査が苦しさと、検査後もしっかりとした目覚め・気分不良がないように配慮するように努めています。
まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。