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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2021年10月06日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は「癒着があると大腸カメラはできない?」というお話です。
みなさんは「癒着」という言葉を聞いたことがありますか?
「癒着」とは臓器同士が貼り付いた状態のことです。
胃、腸、肝臓、胆嚢、膵臓、子宮、卵巣などの腹部の手術をした後に、腸が張り付き起こってしまいます。
腸があらゆる臓器や腹部の内側の壁に「癒着」することで、内視鏡が通過しにくくなり挿入自体が難しく、かつ挿入時に痛みが生じてしまいます。
特に腹膜炎を起こしていた場合や卵巣や子宮の手術後の方は、大腸内視鏡の挿入が難しくなります。
では、「難しいからといって大腸内視鏡が最後まで入らないか?」といったらそうではありません。
確かに「癒着で最後まで挿入できないことはあります」が、年にひとりいるかどうかです。
「癒着があるから大腸カメラができない」ということはありません。
先日も数年前に他院で「腸が長く最後まで挿入できなかった」と言われ、注腸検査という腸の中に造影剤と空気を入れて大腸に異常がないか調べるというかなり苦しい検査を受けられた方がいました。そこでは、「癒着がひどく、S状結腸が変形しているから、もう大腸内視鏡検査はできない」といわれたそうです。
今年の検診で「便潜血検査が陽性」となり、インターネットで検索して当院を受診されました。
実際検査してみると、4,5分で一番奥の盲腸まで挿入できました。
なぜ挿入できたかというと挿入技術と鎮静剤です。
当院では経験豊富な消化器内視鏡学会専門医が検査を担当します。
そして鎮静剤を使い、痛みのコントロールをすることで挿入できました。
他院で奥まで挿入できなかった方、大腸内視鏡検査がつらく「トラウマ」になっている方は一度ご相談ください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。